【中央時評】北朝鮮のMZ世代は体制を揺るがすのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.05.22 15:11
金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は最近、平壌(ピョンヤン)「前衛通り」竣工式の演説で「青春の知恵と勇敢性」を称えながら北朝鮮のMZ世代の心をつかもうとした。先月公開した「親近なる父母」というミュージックビデオでは、青少年に囲まれて明るく笑う金正恩の姿を強調した。しかしこうした演出とは反対に青年層に対する処罰も強化している。反動思想文化排撃法など3つの法を制定し、韓国の言葉を使ったり韓国ドラマを見て流通させたりする住民を死刑も可能な重刑にしている。ここまでするほどMZ世代は体制に脅威となるのだろうか。これら世代の意識はどうであり、我々の北朝鮮政策に与える含意は何だろうか。
MZ世代は金正恩の統治に大きな負担となっている。社会主義のどの独裁者もこうした「悩ましい(?)」新世代を経験したことがなかった。中国が改革開放に入った1970年代後半やソ連が崩壊した1990年代初期、若者は以前の世代とそれほど大きく変わらなかった。ところがデジタルと実用性、自由と個人主義で武装した新世代の出現は全地球的な現象であり、北朝鮮にまで影響を及ぼしている。北朝鮮の変化はさらに劇的だ。1980年代に生まれたM世代は青少年時代に「苦難の行軍」という深刻な経済難を経験した。1990年代後半と2000年代に生まれたZ世代は市場が進化しながら外部情報にはるかに多く露出した。市場で取引される移動式保存装置を通じて韓国ドラマを見て、韓国商品に接し、外国訪問や海外派遣から帰ってきた親から「驚くような」国外の状況を聞いた。高官級の脱北者の中には子どもが北朝鮮行きに強く反対して韓国に入国した人も少なくない。