パタヤで韓国人が殺害されドラム缶に入れて遺棄された事件で、被疑者が被害者に薬品を飲ませ暴行し死亡させた状況がタイ側で出ている。被害者の身体毀損は死亡後に強行されたものだった。

バンコクポストなど現地メディアによると、タイ首都警察局は「１５日に韓国捜査当局から被疑者のうち１人が殺人を認めたという調査結果を伝えられた」と明らかにした。１２日に韓国で捕まった２４歳の容疑者と１４日にカンボジアで検挙された２７歳の容疑者のどちらが認めたのかは明かでない。

タイ警察によると被疑者は２日にバンコク市内のクラブで被害者のＡさんと会い、彼に薬品を飲ませて拉致した。被疑者グループはＡさんを車に乗せてパタヤに移動したが、車の中でＡさんが意識を取り戻すともみ合いとなった。

タイ公営放送ＰＢＳは「被疑者がＡさんに携帯電話のパスワードを教えるよう強要し暴行につながった」と伝えた。この過程で被疑者はＡさんの首をしめて暴行し死亡させた。

タイ法医学研究所は１次解剖検査でＡさんの両側の肋骨などで骨折痕を発見し、呼吸器系統に異常があることを確認した。現地警察は「拳と膝などで上腹部を殴ったという被疑者の陳述とも一致する」と説明した。その後被疑者は遺体をプラスチック製のドラム缶に入れセメントを入れ貯水池に遺棄し隠蔽を試みた。

遺体は十本の指がすべて切断された状態だったが、これは死後に切断されたと判断した。警察は「車内で暴行され死亡したＡさんの指についた被疑者の遺伝子（ＤＮＡ）を隠し警察の身元確認を困難にするためのものとわかった」とした。死亡前に切られたとすれば拷問の可能性もあったが、そうではないという意味だ。

タイ警察は被疑者が事前に犯行を共謀したとみている。ただ最初からＡさんが犯行対象だったかは確認できていない状態だ。ミャンマーに逃走したと推定される２９歳の容疑者を追跡している。タイの裁判所は１４日に殺人と死体隠匿、違法監禁、窃盗謀議、他人のカード違法使用の容疑で韓国人３人に対する逮捕状を発行した。