【リセットコリア】韓国国民は調整・妥協の政治復元を望む
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.04.15 13:58
尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は第22代国会議員選挙の結果を2つの側面で重く受け止めなければいけない。まずは高い投票率だ。今回の総選挙の投票率は67.0%だった。これは1992年の第14代総選挙(投票率71.9%)以来32年ぶりの最高値だ。政権審判の旗幟の下で野党の支持者が結集し、選挙終盤に与党支持者も改憲ラインの200議席を防ぐべきという切迫感で結集した。また、巨大与・野党に批判的な有権者に「祖国革新党」や「新しい未来」などの代案が登場して投票の誘引が生じた点も投票率の上昇要因だ。しかし何よりも高い投票率は、保守・進歩を問わず声を一つにして心配しながら、解決策が見えない大韓民国の未来に対する懸念を選挙参加という形式で表現したためと考えられる。
2つ目は選挙の結果だ。与党の「国民の力」と「国民の未来」は108議席に終わった。半面、「共に民主党」と「民主連合」は175議席、「祖国革新党」が12議席、「改革新党」3議席など野党陣営が192議席を獲得した。与党の惨敗、野党の圧勝だ。立法府の国会を構成する国会議員を選ぶ選挙だったが、今年執権3年目の尹大統領の任期中の選挙だったため、大統領に対する中間評価的な性格が強かった。尹政権は今回の総選挙を通じて与党が国会過半議席を獲得した後、残りの2年を3大(労働・年金・教育)改革などのいくつかの国政課題を進めようとしたが、巨大野党が国会を掌握した状況では改革の推進力を失うしかない。今回の総選挙は高い投票率と政府に対する審判という側面で、民主主義で最も重要な原則である参加と責任性がよく実現されたと評価できる。しかし民主主義の統治性の側面では懸念が先立つ。保守・進歩に関係なく国民の一人として、尹政権の残り3年が過去2年のように与野党の激しい対立で大韓民国が一歩も進めない状況は望まない。残念ながらすでに尹大統領のレームダックと次期大統領選挙のための与野党対立が予想される。米中覇権競争、気候危機、北朝鮮核危機、ウクライナ戦争、人工知能と第4次産業革命、超少子高齢化、医療不均衡などによる複合的不確実性が強まり、韓国の未来が見えにくい状況で、また「失われた政治」3年で浪費すれば韓国の将来は明るくない。