【コラム】三一運動参加者が待ち焦がれていた「ゴドー」は何だったのか(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.03.01 11:04
先日、シン・グ、パク・グニョン、パク・ジョンジャら韓国のレジェンド老俳優が熱演した演劇『ゴドーを待ちながら』を見た。以前見た公演では中年俳優が状況の不条理を強調するために「デッドパン」(演劇用語で「無表情で何とも思っていないように表現すること)で演技をしたが、今回の公演ではさらに長い歳月「ゴドー」を待っていた老俳優の佇まいがより悲しくくたびれていて、それでも希望を捨てることができない様子を演じていて切なさを誘った。
演劇は2人の年老いた男が「ゴドー(Godot)」という未知の人物を待っているが、彼はいつも「明日来る」という言葉だけを伝え聞くだけで、ゴドーを待つ日が続くという内容だ。作家サミュエル・ベケットは自身の実体験を基にこの戯曲を書いた。ベケットは第2次世界大戦の時、ナチスドイツに占領されたフランスで地下抵抗団体の一員として活動し、団体が発覚したためまだ占領されていない地域の人里離れた田舎に避難した。そこで終戦を当てもなく待ちながら、他の避難民と不真面目な雑談をすることで時間を潰していたという。