－－ＡＩが人類に役立つうえでさらに必要なことは。

「チャットＧＰＴのような強力なＡＩモデルを統制するために過去に提案した解決策がある。互いに革新をあおるＡＩ検証会社生態系（ａｎ　ｅｃｏｓｙｓｔｅｍ　ｏｆ　ＡＩ　ｔｅｓｔｉｎｇ　ｃｏｍｐａｎｉｅｓ）を築こうということだ。もちろん政府規制当局がこの企業を点検して認証するべきだが、民間が生態系を構築して拡張するのに主導的な役割をしなければいけない」

－－ＡＩ検証会社の生態系についてもう少し説明してほしい。

「最も強力なＡＩシステムを検証するためには検証の主体も危険性を把握する作業に特化した強力なＡＩシステムでなければいけない。そのためには検証会社も競争が必要だ。お金と人材をめぐり競争し、互いを凌駕する革新を実現させなければいけない。そうしてこそ彼らが検査するモデルと同じ速度で検証力量を備えることができるだろう。ＡＩは速いペースで変わっていて、一般的な政府のプロセスに依存するには危険性が高い。一定水準以上の機能を持つＡＩモデルは政府規制当局が認証した民間ＡＩ検証会社に費用を支払って安全性を評価するようにすれば、こうした生態系を構築することができる」

－－韓国は今年ソウルで「ＡＩの責任ある軍事的利用に関する高官級会議」（ＲＥＡＩＭ）を開催する。軍事作戦に入るＡＩ技術を責任を持って活用する案は。

「すでに世界各地でＡＩが戦場を変えている。すべての軍事技術は人間の責任と関連する基本原則を守って活用しなければいけない。そうしてこそ民間人の苦痛を減らし、相互破壊的な軍備競争を防ぐことができる。米国のバイデン大統領と中国の習近平国家主席がすでに互いに利益となる『安全措置』について議論することを約束したではないか」

－－米国のＡＩ国家安全保障委員会委員長を務め、現在は特別競争力研究プロジェクト（ＳＣＳＰ）を引き受け、新興技術関連のサポートしている。韓米が中国の技術浮上に共同対応する案は。

「多様な方法があるが、その出発点として研究・開発（Ｒ＆Ｄ）とデータ共有協力を拡大しなければいけない。これを通じてサプライチェーンを強化して貿易を活性化する。何よりも政府はＡＩ、生命工学など核心技術に関する共通した国際標準と規範を樹立する必要がある。ＡＩの安全性に関連する国際的協力が進めば中国と対話をする余地も十分に生じる」

「ＡＩ規制がさらに重要だ」…グーグル元ＣＥＯのシュミット氏がした提案（１）