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北朝鮮の旧正月風景「帰省戦争なく、苦難の行軍以降はトックもぜいたく」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.02.10 08:19
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北朝鮮でも正月元日、陰暦1月1日である「ソルラル」は代表的な民俗の名節だ。今年の北朝鮮のカレンダーを見ると、ソルナル当日である2月10日から日曜日の11日までが連休となっている。民俗の名節のうちソル(旧正月)・秋夕(チュソク、中秋)だけ公休日である韓国と違い、北朝鮮は正月デボルム(陰暦1月15日)、清明(陽暦4月5日ごろ)も公休日に指定されている。

北朝鮮で民俗の名節は韓国戦争(朝鮮戦争)直後の1953年から「封建残滓」「古びた遺物」として排斥されて消えた。代わりに政権樹立日(9月9日)、労働党創建日(10月10日)などの主な政治日程を「社会主義名節」として記念した。

 
そうした民俗の名節が再び優遇され始めたのは北朝鮮当局が1970年代朝鮮総連をはじめ海外同胞を対象にした故郷訪問事業をスタートさせながらだ。代表的な伝統名節である秋夕とソルラルは1988年と99年にそれぞれ公式に復活した。

ソルラルの朝に先祖に対する祭事を行い、親戚や地域の長老のもとを訪れて新年の挨拶をする様子は北朝鮮でもよく見かける共通の正月風景だ。ソルラルを迎えてタコ上げやコマ回し、板跳び、チェギチャギ(羽根のようなものがついたコマを蹴り上げること)のような伝統遊びを楽しむところも似ている。北朝鮮住民はテレビで中継している闘牛や相撲のような民俗競技も見る。特に名節を迎えて編成される特選外国映画は住民の間で人気が高いという。

1歳新たに年を取る新年を迎え、新しい気持ちで出発するという意味でトック(韓国式お雑煮)を作るところも韓国と似ている。

北朝鮮官営「朝鮮中央テレビ」は正月名節を控えてトックを作る方法を紹介した映像を放映しているが、この中では「出汁はキジ肉で作るのが基本だが、キジがなければニワトリで出汁をとってもよい」とし「ことわざ『キジの代わりにニワトリ』(必要なものがない時、似たようなもので代用する)という言葉はトックの出汁にちなんでいる」と紹介している。

ただし、脱北民の間では1990年代「苦難の行軍」を経て、正月料理からトックを食べる風習が徐々に消えているという話も聞こえる。経済的に苦しい家庭の場合、温かいご飯に肉のスープを注いで食べる「温飯」や、簡単に手に入る食材料を使って名節料理を用意する場合も多いというのが彼らの説明だ。

北朝鮮では移動の自由がないため、故郷を訪れる帰省文化がないのは韓国とは異なる点だ。このために平壌(ピョンヤン)の一部富裕層は名節連休に平壌の代表的な飲食店「玉流館(オクリュグァン)」と「清流館(チョンリュグァン)」で平壌冷麺やチェンバングクス(大皿に細切りにした色とりどりの野菜と麺が盛り付けられ、混ぜて食べる料理)のような珍味を楽しむ場合もある。

匿名を求めた40代の脱北民(2018年脱北)は「(韓国に)定着した初期のころは周辺の人々がソルや秋夕の名節を控えて故郷を訪れたり周辺の人々の贈り物を準備したりする様子に慣れなかった」とし、韓国で過ごした初めての名節で感じた南北間の違いを説明した。

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    2024.02.10 08:19
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    韓国のトック。[写真 Pixabay]
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