ロシア外務省が尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領の北朝鮮関連発言を非難したことに対し、韓国国内では「外交的欠礼」という声が出ている。

タス通信などによると、ロシア外務省のザハロワ報道官は１日（現地時間）の論評で「北朝鮮が『先制的核攻撃』を法制化した世界唯一の国と主張する尹錫悦大統領の発言は露骨な偏向」と主張した。

続いて「このような発言は北朝鮮を狙った攻撃的計画をぼやかす目的から出ている」とし「韓国・日本など米国とその同盟国の厚かましい政策で朝鮮半島および周辺の緊張と葛藤が強まる状況で（尹大統領の発言は）嫌悪感を与える」と激しく非難した。

これに先立ち尹大統領は先月３１日、第５７回中央統合防衛会議を開き、「北の政権は世界で唯一、核の先制使用を法制化した非理性的な集団」とし「（金正恩政権は）ただ世襲全体主義政権の維持のために手段を問わない」と強調した。

ロシア側のこうした反応は、韓国がウクライナ支援の可能性に言及したのと関係があるとと解釈される。ザハロワ報道官は先月２６日の記者会見で、韓国のウクライナ支援に関し「韓国国防部が致命的な武器を含む対ウクライナ直接軍事支援の必要性に言及した」とし「かつて友好的だったロシアとの関係を崩壊させかねない無謀な行動に対して韓国政府に警告する」と述べた。

北朝鮮との武器取引については「立証されず根拠もないのため不法だという点を強調したい」とし「米国と同盟国がロシアを相手に不法に非難する動きを断固拒否する」と主張した。

専門家の間では今回の論評をめぐり「外務省報道官が相手国の首脳の発言まで非難するのは通常の水準を越えた外交的欠礼」という反応が出ている。一部では朝ロ間の武器取引および先端技術支援など軍事コネクションが深まる過程で、ロシアが北朝鮮との協力を「正常な外交」として包装するために「韓国たたき」をしているという見方もある。

これに先立ちザハロワ報道官は「北朝鮮との関係は長い歴史的な根があり、近隣諸国の安保を脅かさないことが検証された」とし「ロシアは国連安全保障理事会決議の枠組みの中で国際的な義務を責任を持って履行していて、今後もそうする」と主張した。