【時視各角】韓国版「失われた30年」の影
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.12.15 09:43
韓国経済が暗鬱としている。証券会社や流通業界をはじめ、いろいろなところで人員縮小が始まっている。サムスン電子でさえ、新規役員の車両排気量を低くし、顧問の任期を短縮する。世界経済を押さえ付けていた高金利がその向きを変えるのにも時間が必要だ。米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利の利下げを予告したが当面は中金利に留まるものとみられる。来年の経済も一寸先は闇ということだ。
経済はもともと浮き沈みが激しい。技術革新や戦争、在庫増加などの影響を大きく受ける。ところが韓国はこのような一般的な景気変動とは異なる特殊な状況に直面している。「低成長のドロ沼」だ。今は1%台、良くても2%台の成長率を見つめるのは目の前の現実だ。この数値の向こう側でわれわれを待っているのは未曾有の縮小指向的悪循環だ。企業の売上が停滞し、労働者の賃金が上がらず、路地自営業者の商売が厳しくなりつつある。低成長基調をあおる絶滅水準の少子化は悪化するかもしれない。経済が萎縮すれば、結婚・出産環境が悪化するためだ。