日本メディアが最近、「日本と北朝鮮が春に２回秘密接触した」と報じた。岸田文雄首相は「事柄の性質上コメントは控える」とし、報道内容を否認しなかった。

朝日新聞などによると、日本政府の関係者は３月と５月に東南アジアで北朝鮮労働党の関係者と接触した。２回の非公式会合で双方は拉致問題に関する意見を交わし、北朝鮮は対話に意欲的な姿を見せたという。

実際、２回目の接触直後と推定される５月２７日、岸田首相は異例にも「（日朝）首脳会談をするために（北朝鮮側と）ハイレベルの協議を行っていきたい」と述べ、２日後に北朝鮮側も外務次官の談話を通じて「会えない理由はない」とし、両国間に微妙な雰囲気が感知されたりもした。

その後、日本側は岸田首相と金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長の日朝首脳会談の可能性を本格的に打診するため平壌（ピョンヤン）に高官級を派遣することも検討したが、北朝鮮が日本人拉致問題について「すでに解決済み」という従来の立場を繰り返して議論が進展せず、膠着状態になったとみられる。

日朝が２回の秘密接触をした後、金正恩委員長がロシアを電撃訪問してプーチン露大統領と首脳会談をするなど露朝が急速な接近したことで、日朝間で進行していた関連議論が中断した可能性がある。

ただ、日朝接触に関する日本メディアの報道は今回が初めてでない。日本メディアは先月２９日にも似た内容を報じ、首相官邸の関係者は秘密接触の可能性を一部認めたりもした。報道に関して岸田首相はＮＣＮＤ（肯定も否定もしない）に近い答弁をしたが、これをめぐり外交関係者の間では日本側が北朝鮮と関連議論を続ける意思があることを意図的に示唆した可能性があるという見方が出ている。