【中央時評】北朝鮮とロシアの危険な密着
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.09.13 11:44
ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の首脳会談が開催される。世界秩序と韓半島(朝鮮半島)に新たな変曲点が発生した。われわれは強大国の地政学と北朝鮮問題が複雑に絡まる大変な時代を迎えた。「陣営対立の時代」は北朝鮮の核問題が米中覇権競争とロシアのウクライナ侵攻とつながり始まった。いまや中国とロシアの北朝鮮関連の行動は韓国の実存に直接的な影響を及ぼす。北朝鮮はこの機会を最大限活用しようとする。この対立の時代はどのように展開するだろうか。首脳会談の結果はどうなるだろうか。
北朝鮮とロシアのビッグディールの可能性もある。首脳会談合意文は抽象的な言及でこれを隠そうとできる。しかし実行過程でその具体的内容があらわれるほかない。例えば北朝鮮がロシアに砲弾とロケットだけでなく短距離ミサイルとドローンまで供給し、ロシアは現金とエネルギー、食糧だけでなく先端武器技術も北朝鮮に提供するというものだ。前兆とみられることもあった。7月末の北朝鮮の戦勝節行事参加のため北朝鮮を訪問したロシアのショイグ国防相はミサイルとドローンが展示された展覧会を参観した。金正恩は直接立ち上がって新武器を説明するほど誠意を傾けた。また、少し後に彼はミサイル生産工場を訪問して生産能力を飛躍的に増加させるよう促した。1個数千ドルの砲弾より数百倍高い短距離弾道ミサイルまで売って勝負を確実に決定付けたいという望みだと解釈できる。一部では金正恩とプーチンが直接会うだけに画期的な結果が出るだろうと推測する。だが北朝鮮とロシアの関係には両国の必要だけでなく地政学と関係国の対応などのさまざまな要因が複合的に作用する。
より可能性が大きいシナリオは「スモールディール」だ。北朝鮮製の砲弾とロケットをロシアが輸入し、その見返りとして石油類とガス、小麦などを北朝鮮に現物で支給する取引が一例だ。武器の代価をルーブルで支払うなら北朝鮮が受け取ろうとせず、ドルで支払うのは外貨が不足するロシアが望まない公算が大きい。ここにさらに多くの北朝鮮労働者をロシアが受け入れる措置も含まれる可能性がある。だがロシアは先端軍事技術の伝授を含む取引をできる限り避けたいだろう。そうでなければ国連安全保障理事会常任理事国として最も基本的な責務を破ったとし国際社会の大きな批判に直面しかねない。特にこれは韓日米と完全に背を向ける行為となり、その影響はウクライナ戦争後も続くだろう。ウクライナ戦争に韓日がさらに積極的に介入する可能性もある。