米国のバイデン大統領が１０日（現地時間）、中国の李強首相と会ったと公開した。バイデン大統領は「中国は経済不安によって台湾を侵攻することはないだろう」と話した。

バイデン大統領はこの日夜、ベトナム・ハノイで行われた記者会見に先立ち、インド・ニューデリーで開かれた主要２０カ国・地域（Ｇ２０）首脳会議（サミット）期間中に李強首相に会ったと明らかにした。両者の会談は昨年インドネシア・バリで開かれたＧ２０サミット会議で行われたバイデン大統領と習近平国家主席の会談以降、約１０カ月ぶりに行われた米中最高位級の会談となる。

今年３月に首相に就任した李首相は習主席が参加しないＧ２０サミットに代わりに出席した。バイデン大統領と李首相の顔合わせは事前に予定された公式会談ではなかった。ロイターは多国間会議で即席会談はよくあることだと伝えた。

バイデン大統領は記者会見で「私のチーム、私のスタッフは習主席の人々やその内閣といつも会っている」とし「今日インドで彼のナンバー２と会った」と李首相との会談事実を公開した。続いて「我々は安定性に関して話を交わし、全く対立的ではなかった」と対話内容を伝えた。

バイデン大統領は米国経済を世界で最も強い経済だと称賛し、世界経済の不振と中国の政策で中国の経済成長が鈍化していると指摘した。ただし具体的に中国のどの政策が原因なのかは明らかにしなかった。

バイデン大統領は続いて「それ（景気不振）が、中国が台湾を侵攻する原因になるとは思わない」とし「実はその逆でおそらく以前と同じ能力を備えることができないだろう」と話した。

また、習主席について「今、彼は手一杯だ」とし「（中国経済は）驚くような水準の青年失業を体験していて、彼の計画で主要経済原則の一つが作動しないでいる。私はそれについてうれしいとは思わない」と付け加えた。

最近、中国政府が公務員に対してアップル（Ａｐｐｌｅ）のｉＰｈｏｎｅの使用を禁止したという報道に対する質問に対して、バイデン大統領は「（中国との）関係を正すのに全身全霊を尽くしている」と前提を話した後、「中国が貿易とほかのイシューでゲームの一部ルールを変えようと試みている」と指摘した。米国と中国は６月、ブリンケン国務長官の訪中をはじめイエレン財務長官、ケリー大統領特使（気候変動問題担当）、レモンド商務長官などが相次いで中国を訪問して両国関係の改善を試みている。だが４日、中国のスパイを取り締まる部署である国家安全部がＳＮＳに「『バリからサンフランシスコ』を実現するには米国が十分な誠意を見せる必要がある」というコメントを載せて再び緊張状態に陥っている。続いて今月中旬のニューヨーク国連総会に王毅外交部長の代わりに韓正国家副主席が出席すると伝えられて、１１月アジア太平洋経済協力（ＡＰＥＣ）会議期間に予想された米中首脳会談も中止になるのではないかという見方もある。

◇習主席「戦争に備えて戦闘能力の向上を」

一方、習主席は中国軍部に戦争への備えと戦闘能力の全面的向上を指示した。１１の日党機関紙「人民日報」は、習主席が８日に北部戦区所属の第７８集団軍を視察した席で、集団軍の建設と管理・作戦運用方式を革新し、部隊の戦争準備と戦闘能力を全面的に向上させるよう指示したと報じた。メディアによると、習主席は「軍事闘争準備の質と量、水準を向上させ、所属作戦力量、作戦ユニット、作戦要素を融合・集成して連合作戦体系に有機的に落とし込まなくてはならない」と強調した。