米国デフォルト回避したら「国債ブラックホール」というまた別の信管が…
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.06.07 12:04
米国のデフォルト(債務不履行)危機は解消されたが、金融市場は後遺症を懸念している。米財務省の大規模国債発行が市中の流動性を吸い込む「押し出し効果」のために景気が萎縮しかねないということだ。
ブルームバーグは5日、バイデン米大統領が連邦負債限度を引き上げる法案に署名したことを受け、米財務省が1兆ドル(約140兆円)を上回る国債発行に出ると予想した。ブルームバーグはこれを「国債津波」と表現し、経済萎縮など望まない波及効果が生じる恐れがあると指摘した。
これは押し出し効果が現れる可能性があるためだ。投資家が収益率の高い国債を買うために銀行預金を引き出す可能性が大きくなる。米シリコンバレー銀行破綻を受け危機を体験した中小銀行の預金が離脱し支払い準備金が減るなど流動性危機が再び発生する可能性があるという意味だ。また、銀行の資金調達コストが高くなり短期金利が上昇すれば家計と企業の貸付が難しくなる。消費と投資が減り結果的に景気低迷につながる恐れがある。