米ドルの地位揺れ「不安定なナッシュ均衡」になれば韓国に直撃弾(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2023.06.04 12:31
1945年以降世界で最も重要な機軸通貨は米国のドルだ。米ドルが長く基軸通貨という事実は経済学の「ナッシュ均衡」の概念にとてもよく合致する。世界のすべての国が米ドルで貿易をしている時に自分だけ他国の通貨で貿易をするといえばおそらく取引する相手を見つけるのが難しいだろう。そのため一度すべての国がドルを基軸通貨として貿易を始めれば特別なことがない限りだれも米ドル以外の通貨で貿易をしなくなるが、これが経済学のナッシュ均衡だ。経済学でのナッシュ均衡は一度均衡点に達すれば外部からとても大きな衝撃が作用しない限りその均衡状況が維持されるというのが特徴であるためだ。
それならどのようにして米ドルは世界の基軸通貨になったのか。第2次世界大戦が終わった1945年に欧州とアジアが戦争で廃虚になった状態で、依然として活発な生産活動が可能な米国は世界経済で圧倒的な位置を占めた。当時各国が貿易をする上で自身が商品を輸出して受け取る通貨として唯一の経済大国である米国のドル以外を望まなかったため米ドルは世界が使う基軸通貨になった。そして80年近く時間が流れたいまでも世界は依然として米ドルを基軸通貨にする経済的均衡を維持している。だが米国経済の地位は80年前とはずいぶん違う。