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【コラム】韓国の地図を新たに描き直す単語--「インド太平洋」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.04.20 11:11
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先週土曜日、ソウル西小門路(ソソムンノ)フランス大使館で盛大な「引っ越し祝い」が開かれた。5年間の工事の末に新たな装いで戻ってきた大使館の新築開館式にカトリーヌ・コロナ仏外相の他に金建希(キム・ゴンヒ)夫人や各界の要人が出席した。特にフランス建築巨匠ル・コルビュジェに師事した韓国人建築家の金重業(キム・ジュンオプ、1922~1988)が手掛けた1962年完工当時の姿を取り戻した「金重業館」(旧執務洞)が再開館の主人公だった。コロナ外相は祝辞で「円形に復元されたこの建物は今後ソウルのアイコンの一つになるだろう」としながら両国友好協力を強調した。

コンクリートの屋根の軒の形が優雅で大胆な金重業館は韓仏交流の象徴であるのは明らかだが、コロナ外相がこれだけを見に飛んで来たはずがない。行事に先立ち、コロナ外相はちょうど仁川(インチョン)港に寄港していた仏護衛艦「プレリアル」から離陸したヘリコプターに乗って板門店(パンムンジョム)などを訪問した。フランス太平洋艦隊所属のプレリアルは南太平洋から出発して南シナ海・東シナ海などで巡回査察任務を終えて仁川に寄港した。コロナ外相は祝辞でも韓国を「インド太平洋地域におけるフランスの核心パートナー国の一つ」と称して「法に基づいた国際秩序に対する甚大な問題提起が起きている」時期に両国外交の重要性を強調した。

 
規則(法)土台の国際秩序に対する挑戦者が中国を指すことは知っている人は皆知っている。これを狙って主要国は一斉にインド太平洋戦略を打ち出した。2017年11月米国トランプ政府のビジョン発表を皮切りに、日本・オーストラリア・カナダ・インド・英国・フランスおよび東南アジア諸国連合(ASEAN)などがそれぞれのインド太平洋戦略を打ち出した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府が昨年12月「規範と規則に基づいたインド太平洋地域の秩序構築」を骨子として同戦略を打ち出したことはやや出遅れはしたものの、国際社会と歩調を合わせた点で意味が小さくない。

ただし戦略の中に「中国牽制(けんせい)」を明示した日本・米国・オーストラリア・カナダとは違い、韓国を含めてインド・ASEANなどは「包容」などの単語を使って鮮明な戦線を引くことからは距離を置いている。各国利害が異なるのである程度の同床異夢は避けられない。重要なことはインド太平洋という「魔法の単語」が描き出す韓国は、中国という巨大な大陸勢力の外郭に引っかかっている半島国家ではないという点だ。世界の主要輸出入が行われている海路を挟んで東南アジアはもちろん米国・欧州・オーストラリアなどと自由な通商秩序の希望を運命のように共有する海洋国家だ。ある外交部当局者はこれについて「今後は今までとは違う地図の読み方に慣れなければならない」と話した。韓仏修交(1886年)を含めて旧韓末の韓半島(朝鮮半島)外交は受動的に行われたが、21世紀の大韓民国は違わなければならない。

カン・ヘラン/国際部長

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    2023.04.20 11:11
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    韓国建築家の金重業(キム・ジュンオプ)が手掛けて1962年完工当時の姿に復元されて再開館した在韓フランス大使館の建物。[写真 フランス大使館]
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