米国のトランプ前大統領が故安倍晋三元首相から寄贈された「黄金のゴルフクラブ」を返却すると明らかにした。

トランプ前大統領は１１日（現地時間）、ソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル（Ｔｒｕｔｈ　Ｓｏｃｉａｌ）」に「ゴールド（ペイント！）ドライバーを捜索の末に見つけたことをお伝えすることができてうれしい」とし「私の友人であり元日本首相の安倍が私にくれたそのドライバーはフロリダ・パームビーチのトランプ・インターナショナル・ゴルフクラブで他のクラブと一緒にロッカーにあった」と書き込んだ。

あわせて「そのドライバーは一度も使ったことがない」と付け加えた。

また「私が（大統領に）就任する前にこのクラブをもらったという事実に基づいて申告する義務がないと聞いた」とし「それでも私は国立公文書館記録管理庁（ＮＡＲＡ）に提出する」と言及した。

これに先立って、トランプ氏は在任時期に１００点以上の贈り物を外国から受け取ったにもかかわらず申告しておらず法規違反問題が取り沙汰されていた。贈り物のほとんどはＮＡＲＡが回収したが、唯一このゴルフクラブとエルサルバドル大統領から寄贈を受けた実物大の肖像画の所在が確認できなかった。

安倍元首相は現職だった２０１６年に米国を訪問し、次期大統領に決まっていたトランプ氏に７０００ドル（現レートで約９４万円）相当の黄金の本間ゴルフクラブを贈った。２人はラウンドを楽しみながら親交を深めたという。

ＮＡＲＡは外国要人が公職者に贈った品物を米国民の財産と規定している。ただし外国民間から４１５ドル未満の贈り物をもらった場合、個人的な保管が可能だ。これを超える金額の贈り物は法に則り総額を支払わなければならない。

トランプ氏は在任時期に外国からもらった贈り物は自分のものであり連邦政府に属しないという立場を繰り返し表明してきた。

そのようなトランプ氏が自発的にゴルフクラブを返却することにしたのは現在進行中の捜査と無関係ではないという解釈だ。

ジャック・スミス特別検察官はトランプ氏の機密文書搬出事件を調査しているが、機密文書の搬出でまた別の法的処罰の可能性があり得る状況で、在任時の贈り物問題によって追加的な論争を遮断するためというものだ。

トランプ氏はすでに３件のセックススキャンダル口止め疑惑に関連し、ニューヨーク・マンハッタン地検から刑事起訴された状態だ。

米大統領経験者のうち犯罪容疑で起訴された事例は今回が初めてで、トランプ氏は彼に対して提起された３４件の重犯罪容疑に対して全面否認して無罪を主張している。