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【社説】未来へともに進む出発点となった韓日首脳会談

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.03.17 11:52
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尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が16日、1泊2日の日程で訪日し、岸田文雄首相と会談した。2011年李明博(イ・ミョンバク)元大統領の訪日を最後に中断していた両国首脳会談が12年ぶりに実現したのは、尹大統領の先制的決断による結果といえる。尹大統領は重要懸案である徴用問題に「被害者支援財団を通じた第3者弁済」という解決策を提示した。これで韓日関係の最大の足かせとなった徴用問題の解決の糸口がつくられ、両国首脳のシャトル外交が復元された。また、前政権時代に中断されたGSOMIA(韓日秘密軍事情報保護協定)の完全正常化が宣言されるなど、一時断交寸前の危機に追い込まれた韓日関係が2019年7月以前の関係に回復する基盤がつくられた。歓迎すべきことだ。

しかし、これによって尹大統領が韓国国内で受けた政治的被害は一つや二つではない。「屈辱外交」の批判が殺到して上昇傾向だった支持率は下落傾向を免れなかった。野党の反日キャンペーンが猛威を振るい「第2の李完用(イ・ワニョン)」のような極言まで聞かざるを得なかった。それだけに、12年ぶりに開かれた首脳会談で日本政府が尹大統領が苦労して始めた関係正常化の糸口にどのように応えるかに注目が集まったのは当然だ。

 
日本が尹大統領の訪日に合わせてシャトル外交の復元に合意し、半導体3大コア素材の輸出規制を4年ぶりに解除したのは意味が小さくない。韓日関係の代表的な障害が消え、両国の交流地平が拡張される契機になったためだ。しかし、主な懸案である徴用問題に対して岸田首相は「韓国政府の措置を高く評価する」としながらも「歴代内閣の歴史認識を継承していく」という日本の従来の立場を繰り返す水準にとどまった。徴用に責任のある被告企業を含め、日本側が徴用被害者賠償に参加できないという立場であることも残念だ。このような結果を意識してか、両首脳は会談後、共同宣言の代わりに記者会見で各自の立場を明らかにする水準にとどまった。それだけ双方が膝を突き合わせて解決すべき課題が多いという意味だ。

両国を妨げてきた歴史問題の深い溝が、1回の首脳会談で埋められることはないだろう。しかし、今回の会談で両国が不和で点綴された過去を締めくくり、未来志向の協力関係に進む土台を固めたということから評価すべきだ。一口目に満腹になるわけにはいかないが、少なくとも最初の一歩を踏み出す環境は整えられているという点に意味を置くべきだ。

かろうじて実現した今回の会談の成否は、尹大統領の決断に岸田首相が今後どれだけ呼応するかにかかっている。徴用被害者の恨みを晴らす心からのおわびと徴用責任企業の基金参加などは必須条件だ。尹大統領が先制的譲歩によって背負われた政治的負担を岸田首相が最大限分担してこそ、せっかく迎えた韓日関係の正常化の機会を生かすことができる。日本政府と国民の大乗的な決断を期待する。

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