【コラム】米国と中国の間、オーストラリアの「粘り外交」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.03.16 15:26
米国・英国・豪州の首脳たちの後ろに広がるカリフォルニア海にバージニア級原子力潜水艦が浮いている。米英豪3カ国安全保障枠組み(AUKUS=オーカス)がオーストラリアに供与することになる「ミズーリ」だ。バイデン米大統領、スナク英首相とともにカメラの前に立ったアルバニージー豪首相の表情は明るかった。数日前にサンディエゴで開かれたAUKUS首脳会議の結果、米国は1950年代の英国以降、初めてオーストラリアと先端核技術を共有することになった。米国の度量が大きな決心は言うまでもなくインド太平洋地域で中国の膨張を牽制(けんせい)するためだ。アルバニージー首相も「豪政府は国防に投資する決意ができている」と呼応した。
こうしてみると、オーストラリアが中国との「一戦」に意気込んでいるようだが、むしろ中国はオーストラリアにとって最大貿易国だ。昨年の豪貿易の3分の1が中国と行われた。ファーウェイ(華為)事態や新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)などでギクシャクした2019年以降、中国からいわゆる「経済報復」を受けても、だ。むしろオーストラリア産石炭に対して禁輸措置を講じた中国が深刻な電力難を強いられることになった。中国は昨年アルバニージー労働党政府が発足するや和解ジェスチャーを先に示し、最近オーストラリア産石炭と綿花の輸入を許可するなど通商摩擦を「なかったこと」にしようとする兆しを見せている。