大韓サッカー協会がパウロ・ベント前韓国代表監督（５４、ポルトガル）の後任にドイツのレジェンド、ユルゲン・クリンスマン元米国代表監督（５８）を選任した。

サッカー協会は２７日、「クリンスマン監督にサッカー代表チームの指揮棒を任せることにした」とし「契約期間は３月から２０２６年北中米ワールドカップ（Ｗ杯）本大会まで３年５カ月」と明らかにした。双方の合意で年俸は公開しなかった。

クリンスマン監督は来週中に入国し、サッカー韓国代表の監督として本格的な活動を始める。Ａマッチデビュー戦は来月２４日に蔚山（ウルサン）文殊（ムンス）競技場で行われるコロンビア代表との親善試合。サッカー協会は近く新監督を補佐するコーチングスタッフの構成に入る。

クリンスマン監督は協会を通して伝えたあいさつの言葉で「韓国代表チームを引き受けることになってうれしい」とし「韓国サッカーが絶えず発展して成果を出していることをよく知っている。フース・ヒディンク監督をはじめ、前任のベント監督にいたるまで立派な指導者の後を継ぐことになり光栄に思う」と明らかにした。また「アジアカップと２０２６年Ｗ杯で良い結果を出せるよう最善を尽くす」と意欲を表した。

クリンスマン氏は現役時代、「戦車軍団」ドイツのスター選手として活躍したレジェンドＦＷだ。１９９０年イタリアＷ杯と１９９６年欧州選手権で戦車軍団のＦＷ選手として優勝に導いた。１９９４年の米国Ｗ杯ではグループリーグの韓国戦で２得点し、勝利（３－２）の主役になった。

引退後に指導者となったクリンスマン氏は２００４年にドイツ代表監督を引き受け、２００６ドイツＷ杯でチームを３位に導いた。２０１１年からは米国代表監督を引き受け、２０１３年北中米チャンピオンシップ優勝、２０１４年ブラジルＷ杯本大会１６強などの成績を残した。

協会関係者は「年俸および契約期間などについてクリンスマン監督と早期に意見調整を終えた。在任期間中の国内居住が最後のカギだった」とし「韓国サッカーの情緒や文化に関する説明を聞いたクリンスマン監督が快く国内居住を約束し、契約が実現した」と説明した。

クリンスマン氏招聘を主導したマイケル・ミュラー協会国家代表戦力強化委員長はサッカー代表の新監督選任のための前提条件として▼専門性▼経験▼動機付け▼チームワーク▼環境的要因の５つを挙げた。このうち環境的要因についてミュラー委員長は「在任期間の国内居住を重視して評価する」と説明した。

クリンスマン氏は「大きい絵を描けるリーダー」と評価される。ドイツ日刊紙ディーベルトは過去に「ドイツ代表チームでのクリンスマン監督は開かれた運営で好評を受けた」とし「戦術とフィジカルに関する知識が不足するという点を認め、この部門の専門家をコーチングスタッフに含めて短所を補完した。専門家の意見に耳を傾ける点はクリンスマン監督のリーダーシップを輝かせる原動力」と評価した。

実際、クリンスマン氏はドイツ代表チームを率いた当時、自身は選手選抜および管理に集中し、戦術的な部分はヨアヒム・レーヴ首席コーチに一任して分業化した。一方、ミュラー委員長は２８日、ソウル鍾路区新門路のサッカー会館で記者会見を開き、クリンスマン監督選任過程を説明する。