北朝鮮当局が金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長の娘キム・ジュエが両親に挟まれて真ん中にいる写真を公開した中、海外メディアも北朝鮮の「キム・ジュエ露出」に注目している。

８日（現地時間）のワシントンポスト（ＷＰ）は「金正恩は娘が予想される後継者という信号を送っている」とし「キム・ジュエが軍の高位層で埋まる宴会場で中央の舞台に立つ写真が公開された後、キム・ジュエが後継者という分析が提起された」と報じた。

続いて「１０－１１歳と推定されるキム・ジュエが通常リーダーの席である写真の真ん中にいる」とし「テーブルで最高位の将軍が家族の後ろに立って微笑んでいる」と伝えた。さらに「写真は金氏一家の正統性主張を維持するうえで軍の重要性を浮き彫りにしている」と分析した。

ＷＰは「（朝鮮中央通信の）報道はキム・ジュエを金正恩の『尊敬するお子様』と表現した」とし「この形容詞は以前の『愛する』から確実にアップグレードされた」と評価した。

北朝鮮のこうした報道について「キム・ジュエの認知度を高めようとするものであり、後継者として選択したことに疑いの余地はない」という鄭成長（チョン・ソンジャン）世宗研究所統一戦略研究室長の分析も紹介した。ただ、鄭室長は「北の住民が４代目の統治を受け入れる可能性もあるが、北の家父長体制が女性統治者を受け入れるかは今後を眺める必要がある」と話した。

一方、ウォールストリートジャーナル（ＷＳＪ）はこの日、「キム・ジュエを後継者と見るのはまだ早い」という分析を出した。

ＷＳＪは「男性が支配してきた（北朝鮮）王朝で女性が権力を握るというのは前例がない」とし、北朝鮮の３代の統治者に女性はいなかったと伝えた。続いて「崔善姫（チェ・ソンヒ）外相や金委員長の妹の金与正（キム・ヨジョン）など一部の女性が重要な役割をしてきたが、北朝鮮のリーダーはほとんど男性だ」と指摘した。

北朝鮮大学院大学の梁茂進（ヤン・ムジン）総長はＷＳＪに「キム・ジュエを記念式に招待することは（金正恩の）家族的な男性指導者イメージを強める」とし「キム・ジュエが後継者として育てられていたとすれば偶像化の兆候が表れていたはずだが、これまでそのような兆候はなかった」と話した。

ＷＳＪはキム・ヨンヒョン東国大北朝鮮学科教授の言葉を引用し、「キム・ジュエの持続的な登場は北の軍部のイメージを和らげ、金正恩を『（娘を）愛する父親』として描写するためのものだ」と伝えた。