【中国を読む】ベトナムの中国化か
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.02.06 11:41
昨年は韓中修交30年であり韓国とベトナムの修交30年の年だった。これに合わせて昨年12月にベトナムのグエン・スアン・フック国家主席が韓国を訪れた記憶はまだ新しい。ところが彼は帰国後1カ月ほど過ぎた先月中旬に電撃辞任した。彼の側近である副首相2人が汚職事件にかかわっており道義的責任を取って退いたという。これを額面通りに受け止めるのは難しい。権力闘争の一環とする見方もある。
ベトナム共産党は書記長と国家主席、首相、国会議長の4人が率いる集団指導体制を構築している。書記長は軍事力と党権を掌握し国政全般を掌握する。国家主席は外交と国防、首相は行政、国会議長は立法を管轄する。ところでベトナム政治で重要なことは南北のバランスだ。主にハノイ出身の北方派が書記長を、ホーチミン出身の南方派が首相を務める。現在のグエン・フー・チョン書記長は1944年にハノイで生まれた代表的な北方派だ。
彼が2011年に権力の座に上がるころには4人の指導者のうち北方派は彼1人だったという。しかし2016年から習近平中国国家主席にならい強力な腐敗清算運動を行って権力固めに成功した。「どんな禁止区域も、どんな例外もない」という冷酷な反腐敗運動に10万人以上の党員が落馬した。ここには政治局委員出身の4人も含まれた。その結果権力構造が変わった。4人の指導者のうち南方派は最近辞任したフック主席だけ残ることになったが、いまや彼すらも退いた。