ウクライナのダンサーとロシアの振付師「平和のジゼル」で痛み癒す
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.02.03 10:42
1日(現地時間)から米ワシントンDCで幕を開けたバレエ公演『ジゼル』は、単なる切ない恋物語以上の作品だ。まもなく1年を迎えるロシアのウクライナ侵攻とも含意が重なる。ウクライナ国立バレエ団出身のダンサー達がオランダに亡命して現地で活動し、戦争勃発後初めて開く海外ツアー公演だ。
故国を懐かしむウクライナのダンサー達が『ジゼル』を選んだ理由は何だろうか。彼らが選択したバージョンはアレクセイ・ラトマンスキー氏(55)がリメイクした。核心は希望のメッセージ。ジゼルがアルブレヒトの命を助けて墓の中に戻るよく知られたバージョンとは異なり、ジゼルが蘇ることを暗示するバージョンだ。
さらに重要な要素は振付師のラトマンスキー氏という存在だ。ラトマンスキー氏はロシア出身の米国人アーティストだ。サンクトペテルブルクで生まれ、ボリショイ・バレエ団でのダンサーを経て、振付師と芸術監督というトップの座まで上り詰めた。マリンスキーと共にロシアを代表するボリショイ・バレエ団は、ラトマンスキー氏が2004~2008年に監督を歴任したことで芸術的にも進化したという評価を受けた。