米国の一部の保険会社が、特定地域でゲーム感覚で横行している「車両窃盗チャレンジ」のターゲットになっているヒョンデ（現代）自動車および起亜の一部モデルに対する保険提供を拒否していると米国メディアが報じた。

２８日（現地時間）、ＣＮＮは米国の保険会社であるプログレッシブとステートファームがコロラド州デンバー、ミズーリ州セントルイスなどで窃盗防止技術が適用されていない現代および起亜車モデルに対する保険加入を拒否していると伝えた。

ステートファーム側はＣＮＮに「一部の州でヒョンデと起亜の特定年度モデルに対して保険加入を中断した」としながら「この車両に対する盗難損失が大きく膨らんだため」と説明した。

プログレッシブ側も「過去１年間、ヒョンデと起亜の特定モデルの盗難率が３倍以上増え、一部地域では他の車両に比べて盗難率が２０倍以上高い」とし「これに対応して該当地域で保険料率を引き上げ、一部モデルは保険販売を制限した」と明らかにした。

ただし、２つの保険会社は米国内のどの地域の保険提供を中断しているのかなどについて具体的な説明はしなかった。

昨年から米国１０代の間ではソーシャルメディア（ＳＮＳ）「ＴｉｋＴｏｋ」等を通して車を盗む方法をシェアするなど「窃盗チャレンジ」ブームが高まった。特に指定された自動車キーだけでエンジンがかかるように設計されたセキュリティ装置「イモビライザー」がない起亜、ヒョンデが主な標的となった。昨年ワシントン州シアトルだけでヒョンデ・起亜車の窃盗申告件数が前年比それぞれ５倍（５０３％）、３．６倍（３６３％）増加した。

主にターゲットになる車両は２０１１年から２０２１年までに生産された起亜車の一部モデル、２０１６年から２０２１年の間に製作されたヒョンデの特定モデルだ。これらの車両の大部分は金属鍵を使っており、盗難防止装置である「エンジン・イモビライザー」がない。

該当車両の盗難が増えると、ウィスコンシン、オハイオ、ミズーリ、カンザス等の車の所有主たちは昨年ヒョンデと起亜の車両欠陥で盗難に遭ったとして損害賠償を要求する集団訴訟を起こした。最近ではオハイオ州コロンブス、ミズーリ州セントルイス、ワシントン州シアトルなど地方自治体も訴訟を起こしている。

ヒョンデと起亜は所有主たちにハンドル開閉装置、盗難防止セキュリティキットなどを提供しながら対応している。これに先立ち、ヒョンデは地方自治体訴訟に関連して現地メディアに「今回の訴訟は不適切で不必要」とし「ヒョンデ米国法人は２０２１年１１月現在生産されているすべての車両にイモビラザーを標準に指定したほか、車両の盗難を防ぐために顧客に無償でソフトウェアのアップデートを提供するなど措置を取っている」と反論した。

起亜も「向上したセキュリティソフトウェアの開発およびテストを含めてイモビライザーが装着されていない車両のための追加ソリューションを開発するために努力している」と説明した。