ブラジルの熱帯で1カ月死闘…「韓国版スペースX」を夢見る人達
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.01.17 10:41
猛烈な寒さが猛威を振るった昨年12月25日、クリスマスの午後8時。仁川(インチョン)空港の入国フロアに40代半ばの男性とその一行が現れた。彼らの最終目的地は会社と自宅のある世宗(セジョン)市。予約してあったミニバスに乗って約2時間、真夜中の高速道路を走っている間、バスの中には沈黙が流れた。
男性は約30時間前には地球の反対側の南緯2度、アマゾン密林が始まるブラジルのアルカンタラ宇宙発射場にいた。船を1回と飛行機を3回乗り換える間、季節は32度の真夏から氷点下10度の真冬に変わった。男性の名前はキム・スジョン(47)。韓国国内唯一のハイブリッド宇宙発射体スタートアップ・イノスペースの代表だ。当初、彼は12月19日、韓国で初めて民間宇宙ロケット「ハンビット-TLV」を試験発射する予定だった。しかし、3回発射を試みたものの、結局ロケットを打ち上げることができなかった。ブラジル空軍が発射時間として許可した時間はたった3日。再発射するためにはエラー修正はもちろん、行政手続きを最初から改めて行わなければならなかった。次の打ち上げが可能な日程は3月。1カ月以上、赤道の暑さと湿度、蚊と戦ってきたキム代表一行は、アルカンタラから撤退せざるを得なかった。
12日、世宗市科学技術情報通信部庁舎近くの建物に位置するイノスペースを訪れ、キム代表に会った。