シンガポール系の航空機の機内でモバイルバッテリーが爆発する事故が発生した。

シンガポールメディアの１１日の報道によると、台湾・台北桃園国際空港発シンガポール行きのスクートＴＲ９９３便（エアバスＡ３２０型機）の旅客機が前日午後７時３１分ごろ離陸に向け滑走路を移動していたところ機内で乗客の携帯電話用モバイルバッテリーが爆発した。

その後座席に火が燃え移り、飛行機の離陸が遅れた。火はすぐ消され、バッテリーを持って乗った乗客が手に軽いやけどをした以外に人命被害はなかった。

当時撮影された動画を見ると、乗務員は火が出た座席に近付き乗客を安心させて火災を鎮圧した。バッテリー内部のセルが爆発して発生するいわゆる「熱暴走」現象で火が出て火花が出る場面が確認できる。火が消えた後は機内に煙も広がり始めた。

航空機は火災発生直後に離陸を中止してゲートに移動した。この事故により他の航空機の離着陸に支障は出なかった。

ある乗客は、当時突然大きな音がして乗客が言い争う声だと思ったが、まもなく嫌なにおいいとともに煙が発生したのを目撃したと明らかにした。

スクート側は１０日午後７時３５分ごろ離陸予定だった自社の航空機で滑走路移動中にこうした事故が発生し搭乗口に引き返したと明らかにした。搭乗客１８６人、乳児１人、乗務員６人の安全には異常がなく、指に軽いやけどをした２人が治療を受けたという。