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「文政権の5年、軍に『平和』注入…北の無人機に侵犯許す」(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.01.06 16:31
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ドローン(Drone・無人機)がソウルの上空を掻き回す。12月26日、北朝鮮無人機の領空侵犯を韓国軍が捕捉したが、戦闘機もヘリコプターも対空砲火でも迎撃できなかった。今回、単純な偵察および撮影だけをして戻ったというが、北朝鮮の無人機が爆弾を搭載したり生物化学兵器をソウル上空にまいたりする状況を想像するとぞっとする。

自爆ドローンが動員されたウクライナ戦争の事例に見られるように、「ドローン戦争時代」が開かれている。では、北朝鮮のドローン力量はどこまで発展していて、韓国軍はどこまで対応が可能なのだろうか。国内最高の無人機専門家、韓国軍事問題研究院のホン・ソンピョ国防軍事戦略室長は「北のキラードローン挑発に対応してドローン対応力量を大幅に拡充する必要がある」と強調した。ホン室長は空軍士官学校を卒業した後、輸送機(L-2)操縦士として活躍、国防大教授を最後に大佐として予備役に編入し、亜洲大国防デジタル融合学科待遇教授も務めた。

 
--「ドローン戦争時代」が到来した。

「ウクライナ戦争の初期、米国は無人機スイッチブレード700機を提供し、ロシアは急いでイラン製シャヘド136無人機2400機を注文して投入した。戦闘要員が投入されて人命が犠牲になることを考えると効率的だ。少ない費用で作った自爆ドローンだが、相手は防御するのが容易でないため、価格性能比が非常に高い武器になる」

--米国・中国の競争も激しい。

「第4次産業革命で可能になった人工知能(AI)とロボット技術が結びつき、最先端無人機が大活躍している。2001年の米同時多発テロ以降、米国と英国はMQ-9リーパー無人機にヘルファイアロケット14発を装着して連合無人機作戦でテロリスト5000人ほど除去した。2015年にシリアでジハーディ・ジョン(ムハンマド・エムワジ)が、2020年にイラクでイラン革命防衛隊コッズ部隊のソレイマニ司令官が米軍のドローン攻撃で即死した。中国は昨年、時速200キロの速度で高度1キロ以下を飛行する小型・低速・低高度ドローンを近距離から高出力レーザービームで撃墜できるドローンキラーを公開した」

--北朝鮮の無人機のレベルはどうか。

「500機ほど保有していると推定される。映像情報を取得するための偵察機が主流だ。MQM-107D、TU-143など自爆用無人機も10機ほどあるだろう。中国の技術を改良したとみられる。2014年に発見された無人機はエンジン排気量35cc、燃料4.5リットルほどで基礎的なレベルだった。2017年には排気量50cc、燃料は7.5リットルとなり、今回はさらに性能が向上していると思われる。北は中国・ロシアはもちろんイランの攻撃用無人機の確保に注力するだろう」

--北朝鮮の今回の挑発の意図は。

「偵察用であり、攻撃用ではなかった。局地挑発は大きな報復が恐ろしく密かに無人機で偵察したようだ。撃墜されずに撮影して行ったが、浸透して発覚し、韓国のドローン戦略を強化するきっかけを招いただけに、得よりも失が大きいだろう。今回は写真撮影用として運用したが、経路飛行をするので特定標的を狙って作動すれば攻撃用に変わる。無人機に高性能爆弾や生物化学兵器を装着して運用することもできるが、生物化学兵器をまけば戦争犯罪になる」

--無人機侵犯は軍事合意違反ではないのか。

「敵対行為を禁止した停戦協定と9・19軍事合意を違反する。9・19合意によると、2019年11月1日から無人機は軍事境界線を基準に東部地域は15キロ、西部地域は10キロまでが飛行禁止区域だ。北の挑発に韓国軍は比例的正当防衛レベルで無人機ソンゴルメ(ハヤブサ)を北側5キロ上空まで進入させて偵察飛行をしたという。大統領は『北がまた挑発すれば9・19効力停止を検討する』と強く警告した」

--韓国軍の対応をどう見るか。

「領空を侵犯した無人機を必ず撃墜すべきだったが、非常に残念だ。操縦士は他のことを考慮せず撃墜するのが正しい。操縦士は命を捧げても撃墜すべきであり、いろいろと考えて適期を逃すというのはあり得ない。被害を覚悟できてこそ国防がまともに機能する」

--迎撃体系があったが使えなかった。

「2014年に北の無人機が青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)を撮影した後、2015年に最大20キロの距離の無人機を探知し、3キロ内で撃墜できる探知・迎撃資産の『飛虎複合体系』を備えた。しかし文在寅(ムン・ジェイン)政権当時は一度も訓練ができなかったという。2018年当時、文大統領の指示で4個中隊規模で『ドローンボット戦闘団』を地上作戦司令部傘下に編成したが、武器と装備はまともに備えることができなかった。言葉だけで編成し、後続措置がなかったため、国民をだましたということだ。今回、KA-1軽攻撃機が出動して墜落するというあきれるような事態も発生した。過去5年間に軍の対応態勢が完全に崩れた」

--対応態勢がなぜこのようになったのか。

「その日、ちょうど京畿道南楊州にいたが、飛行機の音を聞いて空を見たところ、軍の航空機4機(KA-1軽攻撃機2機と戦闘機2機)が滞空飛行中だった。西側から漢江(ハンガン)に沿ってソウル(広津区付近の上空)に飛んできた北の無人機を迎撃しようと出動したはずだが、ついに発砲しなかった。KA-1とアパッチヘリコプターまで投入したが、2メートルの無人機を撃墜するには価格性能比が低い作戦をするしかなかった。作戦中に民間の被害を心配して迎撃しなかったり、十分に迎撃できるにもかかわらず別の目的のためにしなかった可能性がある」

--それは何を意味するのか。

「文在寅政権の影響があるとみる。過去5年間、将兵に毎週精神教育をしながら、南北対決構図をとにかく避けなければいけない、我々が少し譲歩してでも平和を維持することが効果的な国防だと注入してきた。前方部隊の大隊長らがこのような言葉を口癖のように言う。軍人は敵を見れば叩きつぶすという姿勢を持つのが当然だ。部隊は鋭鋒を維持して決定打を飛ばすべきだが、『平和』と強調して鋭鋒が折れればためらうことになり、周囲を気にしてタイミングを逃すことになる。軍人は政治家や外交官とは違わなければいけない」

「文政権の5年、軍に『平和』注入…北の無人機に侵犯許す」(2)

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