ロシアのラブロフ外相が２９日、ウクライナのゼレンスキー大統領が提案した「平和公式」に基づいてはだれとも交渉しないと明らかにした。これに先立ちウクライナはロシア軍撤収とウクライナ領土復元、戦争損失賠償などを含む平和公式履行を平和交渉の前提条件に掲げた。

この日ラブロフ外相はロシア国営リアノーボスチ通信とのインタビューで「ゼレンスキーは平和公式とさまざまな構想を提示しながら西側の助けを受けドンバス、ザポリージャ州、ヘルソン州、クリミア半島などのロシア領土からわが軍隊を撤収させ、ロシアに復興費用を負担させ、（ロシアを）国際戦犯裁判所に立たせるなどの目標を成し遂げようとしている」と主張した。

彼は「ウクライナ政権が対話する準備ができていないということは明白だ。われわれは当然そのような条件ではだれとも対話しないだろう」と強調した。

インタビューでラブロフ外相は２月末のウクライナ侵攻直後にゼレンスキー大統領の提案で始まった双方の平和交渉が西側の介入により決裂したと主張した。

彼は「数回の交渉は互いに受け入れられる合意点を見いだすことが可能であることを見せたが、２月に始まった交渉過程はゼレンスキーが重要な決定を下す能力が全くないということを立証した」と主張したりもした。

ラブロフ外相はこうした主張の根拠に「４月に戦争を続けたいアングロサクソン族（米国と英国）の指示を受けたゼレンスキーが急いで交渉を中断し自身の立場を突然変えた」とした。