強い寒波は韓国だけでなく、米国や欧州など北半球のいたるところで現れている。

秋に異常高温を維持していた欧州は、今月に入って気温が急落し、大雪と寒波が続出している。英国は最近１２年ぶりに最も強力な寒波に見舞われ、ウィルトシャー州の動物園ではレッサーパンダ２匹が寒さに耐えられず低体温症で息を引き取った。

米国もクリスマスシーズンを控え、南部地域まで北極寒波が吹き荒れるものと予想され、赤信号が灯っている。米国立気象庁は気象特報を通じて「ミシシッピ州南部とルイジアナ州南東部に近づく北極戦線は深刻で長期的な寒さをもたらすだろう」と警告した。米国で最も暖かい地域であるフロリダ州も、一部地域の気温が０度近く下がり、約３０年ぶりに最も寒いクリスマスになるものと予想された。

このように北半球地域に同時多発的に寒波が襲ったのは、北極の冷たい空気を閉じ込めるジェット気流が弱まり、北側の寒気が東アジアと北米大陸など南側に降りたためだ。

さらに、韓半島（朝鮮半島）の場合、周辺に強力な高気圧（気圧が稜線のようにそびえ立った部分）が形成され、東西に空気の流れが詰まる「ブロッキング」現象が発生した。気象庁のウ・ジンギュ通報官は「ウラル山脈付近で気圧能が強く発達し、北極発の冷たい空気が韓半島に降りてくるルートがつくられ、太平洋側にも壁のように気圧能が強く発達し、寒波が続くようにしている」と説明した。

逆説的にも寒波は北極の温暖化によってさらに厳しくなっている。北極の温暖化は地球温暖化の速度より４倍ほど速く進んでいる。昨年１０月から今年９月まで北極の気温は２０世紀以降６番目に高かった。問題は、北極が熱くなるほど冷たい空気を防ぐ役割を果たしてきたジェット気流の勢力がますます弱くなり、北極寒波の道が南につくられるということだ。

釜慶（プギョン）大学環境大気科学科のキム・ベクミン教授は「暖かくても急に寒くなるなど、冬の中にも気温の変動性がますます大きくなるだろう」と話した。