１０月に起きた韓国梨泰院（イテウォン）惨事で友人のうち一人生き残った罪悪感に苦しめられて極端な選択をした１０代男子学生Ａくんが悪質コメントから苦痛を受けていたことが分かった。

１４日、Ａくんの母親はＭＢＣ（文化放送）のニュース番組『ニュースデスク』とのインタビューで「コメントを見てそのままそこで心が崩壊したようだ」と明らかにした。

Ａくんは惨事当時、最も親しい友人２人の最後をすぐ近くで目撃した。Ａくんは心理相談も受けて、わざと学業に打ち込むなどなんとか日常に戻ろうと努力していたが悪質コメントで心のバランスが崩れてしまった。

Ａくんの母親は「息子がオリニチプ（保育園に該当）、幼稚園に通っていたころからハロウィン文化に接していたのでハロウィンに馴染みがあり、その日もただ祭りを見物しに行っただけ」と明らかにした。

続いて「１１月中旬ごろ、泣いて話をしたことがある」とし「『芸能人を見ようと遊びに行って、あんなふうにけがをしたり死んだりしたのではないのか』など、亡くなった友人を侮辱するようなコメントを見て激怒していた」と言及した。

あわせて「心を開いて話すことができたのはその友人２人がすべてだった」とし「ところがそのような友人が亡くなってしまい、心の内を話すことができないことに対する苦しさと哀訴を何度も口にしていた」と話した。

また「（Ａくんが）診療を受けた回数が５回で、１回当たりの時間が１５～２０分」としながら「今考えてみれば心理相談などがもっと深く行われていればキャッチすることができたのではなかっただろうか」と付け加えた。

Ａくんは政府心理支援対象だったが大学病院で行われる相談は一度に２０分以上受けるのは難しく、それさえも１週間に１回以上は受けにくかった。

Ａくんの携帯電話には「もうすぐ友人に会いに行く」というメモと日付まで書かれていた。Ａくんは「母さんと父さんに申し訳ない。私を忘れないでおいて必ず覚えていてほしい」という最後の映像を残して離れた。

Ａくんの母親は「非行をしようとして行ったのではない。自分だけ生き残ったのが申し訳ないという心が大きかった。コメントを見てそのままそこで（保とうとしていたバランスが）崩れたのだと思う」と言って涙を流した。