来年１月から本格的に施行される米国のインフレ削減法（ＩＲＡ）に対して韓国・日本・欧州連合（ＥＵ）が反発する中、米国が同盟国であるこの国々と必要なものを交換する一括妥協（Ｇｒａｎｄ　Ｂａｒｇａｉｎ）をする必要があるという診断が米マスコミから出た。ウォール・ストリート・ジャーナル（ＷＳＪ）は７日（現地時間）、「米国はＩＲＡによって削減される電気自動車補助金の恩恵を同盟国で生産した電気自動車に提供し、代わりに同盟国は米国の中国に対する半導体輸出規制に積極的に参加しなければならない」と主張した。

今年８月に米議会で成立したＩＲＡは、北米で最終的に組み立てられる電気自動車に対してのみ税額控除の形の補助金として最大７５００ドル（約１０２万円）を支給する内容が盛り込まれている。韓国や日本、ＥＵは自国で生産される電気自動車の販売に否定的な影響を与えかねないと反発してきた。バイデン米大統領が１日、マクロン仏大統領との首脳会談でＩＲＡ微調整の可能性を示唆したが、まだ目に見える変化はない。

これに対し、ＥＵは米国に強く圧力をかけている。ウルズラ・フォン・デア・ライエンＥＵ執行委員長は４日「ＩＲＡが不公正な競争を招く危険がある」として「ＥＵはＩＲＡに対抗するために国家補助金制度を改編しなければならないだろう」と話した。欧州議会国際貿易委員会のベルント・ランゲ委員長も同日、「ＩＲＡに関連して世界貿易機関（ＷＴＯ）に提訴すべきだ」と述べた。韓国と日本も自国製電気自動車にＩＲＡの適用要件を緩和してほしいと米政府に引き続き求めている。

ＷＳＪは、韓国や日本、ＥＵの反発に一理あると評価した。ＩＲＡは莫大な補助金を与えて自国企業を育成する中国をけん制し、米国産業を育成しようと作った法だが、現在は同法が同盟国を中国と同様に扱っているためだ。ＷＳＪは「米国は世界で２番目に大きい自動車市場であるため、ＩＲＡでなくても外国電気自動車関連企業が米国に投資するしかない」とし「ドイツのフォルクスワーゲン、日本のホンダ・トヨタ、韓国のＳＫオン・ＬＧエネルギーソリューションとヒョンデ（現代自動車）が米国に電気自動車とバッテリー工場をすでに建てたか、または建設する予定」と指摘した。

ＷＳＪ「米国と韓国・日本・ＥＵ、中国けん制に向けたＩＲＡ・半導体の一括妥協を」（２）