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【中央時評】2023年経済危機、20年後の未来=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.12.08 11:04
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韓国経済は暴風雨の中で航海する船のようだ。危険が波のように押し寄せている。船がどこへ行くのかも不確実だ。

多くの専門機関と国際機関は2023年の世界経済成長率を今年より低い2%台と予想する。しかしウクライナ戦争が長引きエネルギー価格が上昇すれば成長率は1%前後まで低くなりかねない。世界は激しい不況に陥る可能性が大きい。中国経済がコロナ封鎖と不動産危機で急激に下降すれば世界経済はさらに急落しかねない。米連邦準備制度理事会(FRB)が金利を上げ続ければ国際金融市場が不安定になり、新興国は財政・金融危機を体験するだろう。複合危機がくれば韓国経済は不景気を抜け出し難い。韓国銀行は来年の経済成長率を1.7%と予測するが、さらに低くなる恐れもある。

 
来年に複合危機がきても2009年の金融危機や2020年のコロナ禍のように激しい不況にはならないだろう。世界経済成長率は2009年にマイナス0.1%、2020年にマイナス3.0%だった。当時韓国の経済成長率はそれぞれ0.8%とマイナス0.7%だった。むしろ来年の経済は予想より良い可能性もある。ウクライナ戦争の終息、FRBの緊縮中断、中国の景気活性化措置で世界経済回復が早まるかもしれない。

来年には政府・企業・家計のいずれも迫り来る危険に備えなければならない。政府は内外の危険管理に努め、内需回復と輸出を支援して安定した成長を助け、社会的弱者を支援しなければならない。企業は高物価・高金利・ドル高と景気低迷に備えて流動性を確保し、コストを節減して効率性を高めなければならない。家計は負債を減らし危険資産に対する過度な投資は控えるべきだ。

2023年にくる危険を乗り越えてその後まで備えなければならない。どうせ経済は不況と好況を繰り返して前に進む。コロナ禍前から世界経済を変えていた大きな波に注目しなければならない。デジタル転換が速くなり人工知能、ロボット、生命工学の新技術が世界経済の新たな成長動力になった。世界的サプライチェーンが再編され脱世界化が進行している。気候変動対応と炭素縮小の重要性が大きくなった。個人の消費と労働のスタイルが変化している。政府財政の効率的運用と中期健全性が重要だった。企業の社会的責任も強調されている。

韓国は世界的に起きている根本的な変化にまともに対応できずにいる。核心技術開発、新産業育成、人材養成は不十分で、強大国間の対立と国際秩序の変化で経済安全保障が不安だ。低成長と二極化が続いている。65歳以上の高齢者の割合は現在の17%から2040年には36%に増える。生産可能人口が減少し生産性向上は停滞し成長潜在力が下落する。経済協力開発機構(OECD)は2040年になれば韓国の経済成長率が0.2%に低くなると予想する。所得と富の分配は不公平で、産業・企業・地域間不均衡は大きくなっている。国の負債は増え続け、2040年にGDPの100%を超えると予測される。

韓国経済は当面の危機を超え今後20年を安定した成長経路で航海するのに必要な構造改革が不十分だ。今年尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が発足し、規制緩和と労働・年金・教育・公共改革を公約したが、少数与党、利害集団の反発、推進力不足で成果を出せずにいる。11月に韓国経済学会、韓国経営学会、韓国政治学会、韓国社会学会の4大学会の共同世論調査で、学者の65%と企業家の79%が、韓国が経済分野で望ましい方向へ進んでいないと答えた。また、学者の55%と企業家の68%は現政権で経済規制がそのままかさらに悪化したと答えた。

先週末に開かれた「2022年韓日経済フォーラム」では、「低成長時代の韓日経済の対応」を主題に韓国と日本の学者が集まった。日本の学者は韓国の高齢化速度が速く生産性は下落し財政健全性は悪くなっていると指摘した。ポピュリズムで臨時方便的なばらまき政策を繰り返し痛みが伴った構造改革を正しくやらなければ未来は不安になると言及した。日本が1990年代と2000年代に陥った長期沈滞に韓国も陥りかねない。日本はこの30年間の平均経済成長率が0.8%だった。韓国は日本を反面教師として日本の前轍を踏んではならない。過度な規制を撤廃して企業の投資と革新誘引を高め、労働市場規制を緩和して労使関係を安定させなければならない。女性と高齢層の経済活動参加を誘導し、みんなに公正な機会を提供して創意的人材を育成する教育改革を断行しなければならない。新技術に投資して有望な新産業を支援する新しい成長戦略を効果的に推進しなければならない。

映画『ショーシャンクの空に』には「恐れはあなたを囚人にし、希望はあなたを自由にする」という言葉が出てくる。いまは大変でも未来に対する希望があれば生きていくことができる。来年にはすべての国民が経済危機をうまく乗り越え、政府の改革が成果を出し、韓国社会に希望があふれていることを期待する。

イ・ジョンファ/高麗(コリョ)大学経済学科教授、韓国経済学会会長

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