韓国大統領室が論議を呼んだ文在寅（ムン・ジェイン）前大統領夫人の金正淑（キム・ジョンスク）氏の服代費用などを公開できないという立場を明らかにした。関連資料が大統領記録館に移管され、大統領室が該当情報を最初から持っていないためだ。

大統領室は、いわゆる「金正淑夫人の服代訴訟」を審理しているソウル高裁行政第７部にこのような内容の控訴理由書を１７日、提出した。

これに先立って、ある市民団体は２０１９年３月、文前大統領夫妻の洋服、靴、アクセサリー費用などを公開してほしいと大統領秘書室長を相手に訴訟を起こした。

１審裁判所は２月１０日、事実上原告勝訴で判決し、文在寅政府青瓦台はこれに従わず控訴した。

一部では、政権交代後、尹錫悦（ユン・ソクヨル）政府の大統領室が前政権の控訴を電撃的に取り下げ、関連情報を公開できるという可能性が取りざたされた。

しかし、現大統領室は控訴を維持する方針を固めた。

大統領室は最近裁判所に提出した控訴理由書で文前大統領夫妻の儀典費用関連の政府予算編成金額と日付別支出実績について「各情報を保有・管理していない」と主張した。

また「１審判決宣告時に該当情報を保有・管理していたといっても、全てが大統領記録館に移管されたので、現在は保有・管理していない」と付け加えた。

大統領室は１審が公開せよと言い渡した文在寅政府の特殊活動費支出内容などに対しても「全てが大統領記録館に移管された」として公開できないという立場だ。

一方、文在寅政府青瓦台は金正淑夫人の服代をめぐる論議に対して「金正淑夫人は衣類購入の目的で国家予算を使ったことがない。私費で負担した」と反論している。