【時論】危うい韓国の老人たち(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.11.22 11:09
1993年、米中西部の小さな都市で心理士のインターンとして働いていた時、精神科外来患者として韓国のある老人に会ったことがある。患者は移民生活を始めて数年足らずの専門職出身で、端整な姿の老紳士だった。長男が事業に失敗し、妻と死別した後、韓国での生活が厳しくなり次男が住む異国の地に移民してきたという。
しばらくして息子の家と分家して政府補助アパートで一人暮らしをしていたが、不眠症と憂うつを訴えて病院を訪ねてきたという。当時、韓国では老後に子どもが両親を養うことを当然視していた時代なので、いくら移民生活が大変でも息子夫婦が父親を養わずに異国の地で別にアパートを借りたことに対する残念な気持ちと寂しさを吐露していた姿が今でも記憶に残る。ところが、2000年代初めから故国の大韓民国でも似たような事情をもつ老人に会うようになった。