【社説】梨泰院惨事の犠牲者名簿公開、倫理的・法的責任を負うべき
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.11.16 10:44
韓国梨泰院(イテウォン)惨事犠牲者158人のうち155人の実名をホームページに14日公開した「市民言論ミンドゥルレ(タンポポ)」が昨日、20人余りの名前を削除した。遺族の許可すらも取らずに名簿に入れたところ抗議を受けたからだ。しかも外交部によると、外国人死亡者26人のうち1人を除くほぼすべての遺族が名前の公開を願っておらず、一部の在韓大使館は抗議の意を伝えた。
ミンドゥルレ側は「真の哀悼と責任糾明に寄与する道だと判断する」と公開の趣旨を明らかにした。あわせて「名前だけを公開したが、遺族協議体が構成されておらず遺族の同意を求めることができない点は深く了解を求める」とした。完全に前後が入れ替わったやり方だ。追慕ミサで犠牲者の名前を呼んで事実上名簿を公開した天主教「正義実現全国司祭団」のキム・ヨンシク代表神父は「不適切で、法的な論争がある」という指摘に対して「意に介さない」(ラジオ番組『キム・オジュンのニュース工場』)と話した。遺族の意志とは無関係に続けていくという趣旨だ。
名簿公開の最も大きな問題は犠牲者と遺族たちに対する「2次加害」だ。名前を公開しただけで個人情報を特定していないというが、すでに周辺では犠牲者のほとんどのことを知っている。独特の名前ですぐに誰か把握できる人々もいる。ミンドゥルレ側は「外国メディアの場合、実名と個人情報まで公開した」と主張するが、関係者の同意なく報道した事例があるのか疑問だ。国家人権委員長が遺憾を表明し、言論労組も災難報道準則を破ったと批判した。