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154人の命奪った、韓国梨泰院ハロウィーンの悲劇

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.10.31 07:09
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「やっと生きて出てきた」。

29日午後10時25分ごろ、ソウルの地下鉄梨泰院(イテウォン)駅1番出口近くの路上である女性が座り込んで大声を張り上げた。そばにいた友人は道行く人に向かって涙声で「119に電話してください」と話した。

 
しかし通り過ぎる人のほとんどは大型事故に感づくことができなかったようだ。歩くのが困難なほど人波が集まった中、クラブなどあちこちで音楽が大きく鳴り響き騒がしかったためだ。ある通行人は「人が運ばれて行くのにゾンビの仮装をしているので最初はなにかコントをやっているのかと思った」と話した。

通報を受けた警察と消防署員が現場に到着しても同じだった。一部の市民は集団で歌ったり踊ったりした。結局午後11時ごろにようやく現場が統制され惨事の現場の実態が鮮明になり始め、その時始めてあちこちで悲鳴と泣き声が音楽を突き抜けてきた。

2014年4月16日に304人が死亡・不明となったセウォル号沈没事故から8年ぶりに再び100人以上が死亡する惨事が発生した。ハロウィーンの10月31日を2日前に控えたソウル・梨泰院(イテウォン)で起きた圧死事故だ。韓国で起きた圧死事故としては最大規模だ。

警察と消防当局によると、悲劇は29日午後10時15分ごろに起きた。ハミルトンホテル西側近にある幅5メートル、長さ50メートルの下り坂だった。

◇「突然両側から圧迫され…目の前が真っ白に」

目撃者によると、満員電車の中のように自分の思うように動きにくい状況で人々が片側に集まり始め、突然ドミノのように人が次々と倒れた。ある目撃者は「あっという間に人波が崩れた。人が五重、六重に重なった」と話した。

現場にいたが幸い難を逃れたというユーチューバーのソン・ヨジョンさんは自身のインスタグラムを通じ「当時後から『おい、押せ』と声がしたがある瞬間突然(前後の人波が)互いに力を加えて押し始めた。前後左右から圧迫され目の前が真っ白になった」と話した。現場から離れて見守っていたイ・ソニョンさんは「20~30人ほどが横たわっており、警察と消防当局だけでなく一般の人たちも出てきて心臓マッサージをするほど状況が深刻だった」と明らかにした。

この圧死事故で30日午後9時現在154人が死亡し、132人が負傷した。死亡者のうち女性は98人で男性の56人より倍近く多い。相対的に体格が小さく耐える力が弱い女性が大きな被害を受けたという分析が提起される。

外国人死亡者も26人に上る。この日午前6時まで外国人死亡者は2人と確認されたが身元確認過程でその規模が大きく膨らんだ。身元確認前まで中国人と東南アジア人などを韓国人と見なして集計したためだ。外国人死亡者の国籍はイラン、ノルウェー、中国、ウズベキスタンなど14カ国だ。

負傷者の中では36人が重傷、96人が軽傷を負った。重傷者のうちさらに死亡者が出る可能性もある。消防当局は「被害者の大部分は10~20代」と説明した。消防当局は死傷者をソウルと京畿道(キョンギド)の病院40カ所に搬送した。漢南洞(ハンナムドン)の住民センター3階では行方不明者の届け出を受け付けている。

この日の惨事は予見できたものという指摘が出ている。3年ぶりに「ノーマスク」でハロウィーンイベントが開かれたため過度な人波が集まったのだ。事故前日にも同様の状況が起きていたという目撃談がある。ある市民は「1日前の28日夜にも路地がぎっしり埋まった。一部の女性が人波に押され倒れたりもした」と話した。

警察はソウル警察庁に捜査本部を設置し事故収拾とともに大々的な捜査を予告している。警察関係者は「もし周辺の事業者などが事故の原因を提供したとすれば業務上過失致死傷容疑を適用できる」と話した。検察は大検察庁(最高検)に事故対策本部を設置した。検察は業務上過失致死傷容疑だけでなく重大災害処罰法上の重大市民災害にも該当するか検討している。

尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は中央災害安全対策本部会議を開き、ソウルの竜山区(ヨンサンク)を特別災害地域に宣言した。また30日から来月5日午前0時まで国家哀悼期間に定めた。ソウル広場などには合同焼香所が設置される。

尹大統領は30日午前に大統領室で発表した国民向け談話を通じ、「政府は国政の最優先順位を事故収拾と後続措置に置く」と明らかにした。

韓悳洙(ハン・ドクス)首相は「政府は死亡者遺族と負傷者に対する治癒支援金など必要な支援をすべてするだろう」と話した。

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    154人の命奪った、韓国梨泰院ハロウィーンの悲劇

    2022.10.31 07:09
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    29日夜にソウル・梨泰院のハミルトンホテル近くの路地で大規模圧死事故が発生した。30日明け方、ホテル前の道路は救急車であふれている。ウ・サンジョ記者
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