【コラム】ある大宇造船社外取締役の生存記(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.10.07 10:44
どうやって大反転が可能だったのだろうか。幸いなことに、すべての理事会の発言を録音した記録があった。シン博士は2年間社外取締役兼監査委員を務めながら会議に欠かさず参加し、理事会に上がってきた67件の案件のうち4件は反対し、1件は留保した。外部監査人がコンサルティングのような非監査用役を引き受けることにも反対した。会計法人の独立性を阻害する恐れがあるからだ。経営陣(社内取締役)より社外取締役の責任が重くならず、監査意見のような会計法人の専門情報を社外取締役が信じるのは合理的だと考える米国の事例も発見した。会計法人が適正意見を出した財務諸表の不良を経営陣や外部監査人の協力なしに会社の日常業務から離れている社外取締役が把握することは難しい。裁判所がこのような点を認めた。
シン博士は大宇造船粉飾会計の原因として大株主である産業銀行責任論を提起した。好況と不況が周期的に繰り返される造船業の特性を無視し、短期成果主義を助長する経営評価をしてきたのが誤りだ」と話した。経営者や会計士のような専門家の倫理意識を再び点検する契機にしてほしい」と話した。