【社説】海外出張のせいで遅れて報告を受けたというIRA対応の実情=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.10.06 08:09
バイデン米大統領は昨日、「インフレ削減法(IRA)に関する韓国側の憂慮をよく知っている」とし、「政府間協議を続ける」という内容の親書を尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に送ってきたと、大統領室が公開した。協議結果によって、現実化している韓国製電気自動車の輸出損失を減らすことができるという見通しが出ている。遅ればせながら幸いなことだ。しかし、政府のIRA初期対応に問題があったという批判から免れることはできない。むしろ同盟国配慮の意思を示したバイデン氏の親書は、もし韓国政府がゴールデンタイムを逃さず迅速に対応していたら、問題を今よりはるかに簡単に解決できたことを意味する。「今日の一針明日の十針」になったわけだ。
政府の不十分な初期対応の実態は、一昨日の国政監査でその一端が明らかになった。米国IRA法案草案が公開されたのは7月27日だ。初歩的報告に続いて8月4日、電気自動車税額控除改編案に関連した駐米大使館の深層報告が外交部に入った。これもまた早かったとは言えないが、問題が深刻なのはその全文が受け付けられた後のことだ。外交部の朴振(パク・ジン)長官は国政監査で「その時(8月4日)はカンボジア出張中だったので、報告を受けられなかった」とし、「中国出張(8月8~10日)中に補佐官から(口頭で)報告を受け、(帰国後の)8月11日に書面報告を受けた」と答弁した。法案が上院を経て下院通過を翌日に控えた時点で、外交部長官は報告書を見たということだ。
光のように情報が広がる時代だ。海外出張中だったので重大な国益がかかっている事案を適時に報告してもらえなかったという釈明に納得できる国民は果たしてどれほどいるだろうか。実務者から長官まで事案の緊急性と深刻性に対する認識が緩く、それが初期対応の黄金時間を逃す結果につながったのだ。迅速に対応できなかったのは、該当全文を同時にもらった産業資源部と大統領室も同じだ。尹錫悦大統領とナンシー・ペロシ米下院議長の電話会談と朴振長官とアントニー・ブリンケン米国務長官会談でIRA問題を持ち出すこともできなかった理由がこれで説明される。