４日に予定された外交部の国政監査で、尹錫悦（ユン・ソクヨル）政権の外交成果および当面の懸案をめぐり与野党間の激しい対立が繰り返される見通しだ。

野党第一党の共に民主党は、尹錫悦大統領が英国・米国・カナダ歴訪中に「この野郎ども」と発言したとして「外交惨事」と規定し、朴振（パク・ジン）外交部長官に対する解任建議案を単独で処理したのに続き、国政監査でも総攻勢を予告した状態だ。

これに対抗して与党・国民の力は「（解任建議案は）強引に大韓民国を自害する惨事」（先月３０日、朱豪英院内代表）として反発している。朴長官も先月３０日、「野党は大統領の歴訪を外交惨事だと蔑むが、同意できない」と述べ、正面突破の意志を表した。

◆「外交惨事」批判に「国益毀損」で対抗

民主党は▼エリザベス２世英女王弔問取り消し▼韓米－韓日首脳会談をめぐる問題▼低俗発言などを尹大統領歴訪過程の「３大外交惨事」とみて、国政監査で激しく攻撃する予定だ。特に解任建議案に続いて国政監査でも主務部処の朴振長官の責任論を強調し、辞任を促すと予想される。民主党の朴洪根（パク・ホングン）院内代表は１日、フェイスブックで「相次ぐ問題、卑屈、手ぶら外交という大惨事劇の演出者が朴長官なら、その主人公は尹大統領」と批判した。

大統領の拒否権行使で朴長官の解任は失敗に終わったが、国民の力は外交論争が拡大再生産される状況自体を負担になる雰囲気だ。国会外交統一委員会所属のある国民の力議員は「山積した外交懸案を一つずつ解決していくべき状況で、すべての耳目が『歴訪論争』に集中し、大統領室と政府に対する否定的なイメージが固まるかもしれないという懸念が強い」と述べた。

ただ、朴長官に対する解任建議自体が無理のある政治攻勢であるうえ、これを単独で処理する姿などを勘案すると、「逆風誘導」の機会になるという見方もある。国民の力の核心議員は「大統領の歴訪の成果に対する批判を長官解任建議と辞任要求に結びつける態度は、国民にも『難癖』として映るほかはない」とし「国政監査を大統領と外交部長官に対する政治攻勢の場として活用する国益毀損が続けば野党に逆風が吹くはず」と述べた。

◆ＩＲＡ・強制徴用「徹底検証」予告

今回の外交部の国政監査では、インフレ抑制法（ＩＲＡ）および強制徴用問題に対しても激しい与野党の攻防が予想される。両懸案は尹錫悦政権の核心外交課題である韓米同盟強化、韓日関係改善に関連する事案であるだけに、今後の外交動力を左右する核心指標に該当する。

ＩＲＡの場合、ハリス米副大統領の訪韓などを機に電気自動車補助金差別問題を解消する案を協議しているが、まだ具体的な青写真は出ていない。強制徴用問題も国内では４回にわたり官民協議会を開催し、韓国・日本企業出資金を活用した賠償などの案が議論されているが、日本側の意味のある態度の変化は感知されていない。

外交部は国政監査に向けて主要懸案を中心に資料の準備に集中する一方、関連報道に対する反論性の立場資料を発表して対抗している。朴長官に対する解任建議案が本会議を通過した後、外交部が公式発表したＩＲＡ報道関連の「釈明資料」だけで６件にのぼる。

これに関し外交部当局者は「最近のＩＲＡ、韓日首脳会談『屈辱外交』という報道のうち内容が事実と異なる部分については積極的に釈明し、正確な内容を知らせている」とし「外交懸案に関する誤解を放置するのは国益毀損につながるだけに、国政監査などを機に懸案に関する正確な事実関係を知らせることに注力する」と述べた。

◆対立の中で北が挑発再開

尹大統領の歴訪をめぐる論争に隠れているが、北朝鮮の核・ミサイル高度化への対応戦略も外交部の国政監査で大きく扱われる予定だ。特に北朝鮮が尹錫悦政権の対北朝鮮政策「大胆な構想」に呼応しない状況で、北朝鮮を非核化プロセスに導く具体的な方法論に関する質問が続くと予想される。北朝鮮は先週だけで４回にわたり弾道ミサイルを発射するなど武力挑発を再開し、豊渓里（プンゲリ）核実験場内の坑道復元作業が続くなど７回目の核実験の動向が続いている。

これに先立ち先月１８日、李在明（イ・ジェミョン）民主党代表は「政府は李明博（イ・ミョンバク）政権の『非核・開放・３０００』の二番煎じと変わらない『大胆な構想』を出したが、北はこれを正面から拒否し、８日には『核武力政策法』まで通過させた」とし「対北強硬論と先制打撃論を主張した尹錫悦政権の発足後、韓半島（朝鮮半島）をめぐる軍事的緊張の波が急激に高まった」と批判した。