【中央時評】エリザベス女王以降の英国と韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.09.30 16:02
エリザベス女王は一時代を締めくくってこの世を去った。女王が見せた節制力、品位、献身、女王が享受した光栄と大衆の敬愛、女王が座った王座の重さと長さはこの時代の誰も従うことはできないものだった。駐英大使時期、女王とさまざまな機会に会って交わした短いが心温まる対話、明るくエレガントな笑顔を忘れることはできない。
英国は偉大な歴史を持つ国だ。英国という国がなかったとすれば、今日人類社会が享受している豊かさや繁栄が可能だっただろうかと考えさせるような国だ。近代民主主義と資本主義制度を発展させたし、今日の人類の人生を支配する重要な科学技術の発明と産業革命、人類を長く苦しめた疫病から解放してくれた予防医術のすべてが英国で初めて開花したのだ。さらには今日地球村の大衆が楽しんでいるサッカーやゴルフ、ホッケー、ラグビーなどスポーツも英国に由来している。日が沈まなかった歴史上最大の帝国を建設して世界秩序を主導し、文学・知性・芸術・金融・言論・教育・探険・経済学・歴史学・物理学・地理学・人類学の新しい地平を切り開いた、数多くの綺羅星のような人物を輩出した国だ。
英国はヨーロッパ大陸とドーバー海峡を間に挟んでわずか20マイル離れている小さな島国だ。大陸で絶対強者が浮上して海峡を渡ろうとすることを常に警戒して制御しようとした。その結果、ナポレオンの軍事も海峡を渡ることができなかったし、ビスマルクの外交や軍隊も英国を手中に収めることができなかった。過去500年、外国との戦争で敗れたことがなかった英国の地位が傾き始めたのは第1次世界大戦で被った傷が大きかったためだ。その後、植民地の独立を許容しながら1931年56カ国で構成された英連邦を構成して依然として国際外交と秩序を主導し経済的連帯を維持しようとした。国連を除いて5大洋6大陸に構成員を持つ機構は現在でも英連邦しかない。このうちオーストラリア、カナダなど14カ国では女王が国家元首に君臨してきた。