【コラム】韓国民主党のえさに大統領が食いついてしまった
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.09.29 11:37
「えさに食いついたのだ」。
映画『哭声/コクソン』(2016年)でファン・ジョンミンが吐いたこのせりふが最近になりたびたび頭の中をぐるぐる回る。通貨価値急落に資産市場崩壊など世界で同時多発的に哭声が聞こえてくる厳しい時期に、まるで自分たちには何の問題もないかのようにすでに10日近く意味もない「尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領不適切発言議論」がすべての問題を吸い込んでいたためだ。最初から起きなかったならもっと良かったが、大統領のニューヨークでの発言は別の見方をすればいくらでも笑い飛ばせる小さなハプニングにすぎない。しかしなぜ米国歴訪中に共同取材カメラにとらえられた大統領の非公開発言が、その内容を聞き分ける全国民の聴力テストとして広がった末に与野党間だけでなく韓国社会全体を激しい対立にまで追いやるのだろうか。