韓国、為替相場で苦境…物価鈍化もウォン下落で緊縮緩めるのは困難に(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2022.09.04 11:37
物価のピークアウト(頂点通過)への期待にもウォン安が続き、韓国銀行は通貨政策の方向舵を回すのが負担になった。8月の消費者物価指数(CPI)は1年前より5.7%上がった。7月の6.3%より物価上昇は鈍化した。物価上昇率が鈍化したのは1月から7カ月ぶりだ。世界の景気低迷にともなう需要鈍化の懸念で国際原油価格が下落し物価上昇圧力を低くしたのだ。LG経営研究院のチョ・ヨンム研究委員は「ウォン下落で輸入物価が上昇しかねず物価のピークアウトを判断するのは時期尚早の状況。韓国銀行は韓米間の金利逆転でウォンの下落が大きくなり、輸入物価上昇圧力が大きくなるのは負担になるだろう」と話した。
先月25日に韓国銀行が政策金利の基準金利を0.25%引き上げ、現在の韓国の基準金利(年2.5%)と米国の政策金利(年2.25~2.5%)は上段基準で同じだ。FRBは20~21日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を最小0.5%以上引き上げる見通しだ。このようになれば韓米の金利が再び逆転する。両国の金利差が大きくなればウォン安をあおりかねない。インフレ圧力が減ってもFRBの動きとウォン下落などで緊縮が続くほかはないという意味だ。
韓国銀行の李昌ヨン(イ・チャンヨン)総裁も先月27日にロイターとのインタビューで「韓国銀行は政府から独立したが、FRBから独立していない。韓国銀行がFRBより先に利上げを始めたが、利上げを先に終了するのは難しい」と話した。新韓金融投資のアン・ジェギュン研究員は「韓国銀行の基準金利見通しはFRBの通貨政策にかかっており、米国の物価見通しに連動された状況。FRBの利上げの意志がより強化されただけにFRBの政策金利見通し引き上げぐらい韓国銀行も対応すべき」と話した。