【グローバルアイ】ペロシ訪台で失ったもの
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.08.16 14:19
米国のナンシー・ペロシ下院議長が台湾を訪れて12日後、米国の上下院議員5人が再び台湾を訪問した。“支援射撃”だったのかもしれないが、反響は大きくなかった。エドワード・マーキー議員は民主党所属の上院外交委員会東アジア太平洋委員長だ。「今回の訪問が台湾海峡の安定と平和を増進するだろう」という彼の言葉は虚しかった。少なくとも現在の危機はペロシ議長の訪台が招いたものだからだ。
今回の事態で米国は中国との名分争いで押された側面がある。中国政府は1978年の「中米関係外交樹立に関する声明」に基づき、「米国は台湾とは文化、商業、その他非公式的関係だけ維持することにした」という点を繰り返し強調した。米国権力序列3位のペロシ議長の訪台は国家次元の公式訪問であり、両国間の外交的合意違反という部分に傍点をつけたのだ。
逆に米国は中国の主張に反論する根拠が不足した。米ホワイトハウスは三権分立に基づき、訪問するかどうかに対する判断はペロシ議長にあると避けた。ペロシ議長も台湾到着直後、「習近平主席が人権と法治を無視した」と直撃したが、合意無視という中国側の主張には反論できなかった。これは結果的に中国が台湾の主要航路と港を塞ぐ初の「封鎖訓練」に口実を提供した。