【コラム】ペロシ米下院議長の台湾訪問が変える北朝鮮
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.08.12 13:51
北朝鮮の運命は、米国の政治家による韓国とは全く関係のない決定・行動で決まることがある。1988年のルインスキースキャンダルがなかったとすれば、ビル・クリントン大統領は北朝鮮を訪問していたかもしれない。その場合、北朝鮮はその後、違う道を歩んでいただろう。2002年1月29日の一般教書演説を準備したジョージ・ブッシュ大統領は「悪の枢軸」リストにイスラム国家だけあることを憂慮した末、北朝鮮を入れた。北朝鮮ではなく他の国を選んでいたとすれば、米朝関係は今と違っていたかもしれない。
似たことがまた生じた。ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問だ。彼女の行動は北朝鮮の(北朝鮮だけに該当するのではないが)世界を変えた。ホワイトハウスが背後にいると(事実ではないが)確信した中国は、台湾の海上で軍事訓練とミサイル発射で対応した。さまざまな分野の対米協力も壊した。まだ始まりにすぎない。中間選挙を控えた米国の政治家らはペロシ議長が1週間にわたりヘッドラインを飾るのを見た。これら政治家は激しかったものの米国や台湾に深刻な影響を与えることができなかった中国の対応を見てペロシ議長の後に従うはずで、中国はさらに強力な軍事措置で対応する可能性が高い。
こうした状況が北朝鮮にはどんな影響を与えるだろうか。現在、対米関係の改善に全く関心を見せていない北朝鮮が心を変えて米国の対話の提案を受け入れるとしても、今はもう中国が怒るだろう。北朝鮮をわがままな弟ほどに考えてきた中国は時々、北朝鮮政権が中国の意を逆らえば不快感を隠さず、米朝間のいかなる意思疎通も注視した。米国と主な協力関係を断ってしまった中国が、自国の唯一の同盟国の北朝鮮が米国との新しい関係を摸索するのを認めるはずがない。