【コラム】豊かさの後にくる国=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.08.10 11:54
米国の経済学者ガルブレイス(John Kenneth Galbraith)は1958年、『ゆたかな社会』(The Affluent Society)』という名著で資本主義発展の矛盾を鋭く分析した。資本主義は優れた効率性と生産性で人類を豊かにさせるが、需要よりも多くの生産のために広告を通して過剰消費を誘導することになる。半面、低所得層は購買力が不足して消費ができない。このように表面では豊かな社会のように見えるが、生産と消費の不均衡と経済二極化が深刻化する問題が発生する。
ハーバード大学で経済学を教え、ジョージ・W・ブッシュ政権のホワイトハウス政策秘書官を務めたバックホルツ(Todd G.Buchholz)も『繁栄の代償(The Price of Prosperity)』で、豊かさのパラドックスを世界史の教訓を通して示している。『繁栄の代償』というタイトルにみられるように、国家が繁栄するほど愛国心は消えて共同体意識は薄れる。
ローマ帝国の没落は貴族の贅沢と歓楽のためだと知られているが、強大な軍事力を持ったスパルタはどのように滅亡したのか。バックホルツは紀元前4世紀初期のスパルタの没落を、80パーセントも人口が減少した少子化のためだと分析する。天下無敵スパルタは戦争の勝利で経済的な富を築き、奴隷を従えて豊かになった。しかし強靭なスパルタの軍人に豊かな生活は出産の必要性を減少させた。子どもが多ければ旅行や贅沢を楽しむ余裕も減り、財産分割の問題も生じるからだ。結局、スパルタは従来の軍隊も維持できないほど人口が減り、歴史から消滅した。