【時視各角】尹大統領がペロシ議長に会うべきだった理由
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.08.09 11:13
今ごろ中国の習近平国家主席はほくそ笑んでいるかもしれない。習主席の視線は、中国海軍艦艇に乗った兵士の肩の向こう側に台湾の海岸線と山が見える写真に向かっているだろう。ナンシー・ペロシ米下院議長が台湾に足を踏み入れた瞬間は大きな一撃を食らった感じだったが、よく考えてみると、それは泣きたい時に殴られる状況だった。今回の件を口実に中国の精鋭空軍機と艦艇が台湾海峡の中間線を越え、数十年間の両岸関係のタブーを破ったのが最も大きな所得だ。一度破られたタブーはもはやタブーでない。5年ぶりの秋の党大会を控え、対内結束が必要な時期に国内政治的にも所得がある。国営放送が台湾封鎖訓練場面を繰り返し放映する裏面には「米国が空母を出動させても見物するだけだ。したがって人民は党と指導部を信じて従うべき」という意味が込められているはずだ。
もちろんこうした考えが必ずしも正しいというわけではない。習近平主席はより大きなリスクと未来の不確実性を抱え込むことになった。米中葛藤の危険予告指数は確実に上昇した。このままでは南シナ海での米国の「航行の自由作戦」が台湾海峡にも拡大する可能性に備えなければならない。米国の台湾防御公約はさらに強まり、台湾人の反中感情がさらに深まるだろう。そうであるほど習近平主席が不滅の業績とすることを望む両岸統一の壁はさらに高まる。