月探査の夢をのせて、韓国「タヌリ」が宇宙旅程開始
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2022.08.06 09:45
「…3、2、1、0、イグニッション(点火)」
カウントダウンを終えると、広大な海岸の沼地の向こうの発射場から、スペースXの「ファルコン9」宇宙ロケットが轟音を響かせ火を噴きながら空に向かった。雲一つない澄んだ夕方の空が赤くなった。現地時間の4日午後7時8分(韓国時間5日午前8時8分)、米フロリダ州東端の海岸にあるケープカナベラル宇宙軍基地40番発射場で、大韓民国初の月探査機「タヌリ」が月の軌道へ向かう旅程を始めた。
発射から2分34秒後にファルコン9のロケット1段目が分離し、3分8秒後に「タヌリ」本体を覆っていたフェアリングが分離した。6回目の再使用となるファルコン9の1段目ロケットは問題なく地球に戻って回収された。「タヌリ」は発射から40分が経過した午前8時48分ごろ、高度約703キロ地点でファルコン9から最終分離した。この時の速度は秒速10.15キロ。6つの搭載体を積んだ「タヌリ」本体が宇宙空間に放たれた瞬間だった。発射から約92分後の午前9時40分にはオーストラリアのキャンベラにある米航空宇宙局(NASA)深宇宙アンテナを通じて韓国航空宇宙研究院とタヌリが地上局初交信に成功した。