【時視各角】26年前のおぞましい「船上集団殺人」…「気の毒だ」と弁護したのが文前大統領だった
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.07.18 11:05
建国以来多くの凶悪犯罪が発生したが、残酷性と人命被害で「ペスカマー号船上反乱事件」を凌駕する犯罪はあまりない。1996年8月2日、南太平洋でマグロ漁操業中だった254トン級遠洋漁船ペスカマー15号で起きたおぞましい集団殺人事件だ。当時その船には船長を含め韓国人8人、インドネシア人9人、中国籍の朝鮮族7人が乗船していた。しかし朝鮮族の船員が仕事がへただという理由で韓国人幹部が暴行しながら双方の間で対立が発生した。結局韓国人船長は朝鮮族船員を中間で下船させることに決めたが、一文無しになることを恐れた朝鮮族船員6人が船を奪取することを決めた。
犯人は船長と甲板長ら韓国人幹部を1人ずつ操舵室に呼び出して凶器でめった刺しにして海に投げ入れた。犯行に加担しなかった朝鮮族1人とインドネシア人船員3人は冷凍庫に閉じ込めたが、彼らが死なないため5日後に引きずり出して海に投げ入れた。さらに虫垂炎の緊急搬送のため別の船から移ってきた当時18歳の海洋高校の実習生も同じ方法で殺害した。犯人が殺した数は実に11人。操舵技術がなかった犯人は韓国人のうち航海士1人は生かしておいたが、後にこの航海士が機知を発揮して犯人を倉庫に誘引して閉じ込め事件が明るみに出た。
釜山(プサン)地裁は1996年12月の1審判決で犯人の朝鮮族6人全員に死刑を宣告した。ところが翌年4月の釜山高裁での2審では主犯のチョン・ジェチョンを除く残り5人は無期懲役に減刑された。この時2審で犯人の弁護人を務めたのが文在寅(ムン・ジェイン)前大統領だ。