韓銀の「ビッグステップ」も力不足、13年ぶりのウォン安ドル高
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2022.07.16 09:26
世界的なドル高が進む中、韓国ウォンが急激に値下がりしている。韓国銀行(韓銀)の史上初の「ビッグステップ」(政策金利0.5%引き上げ)にもかかわらずウォン安ドル高が進み、韓国経済に赤信号がついた。消費者物価上昇率は6%台に達し、政策金利は2%台まで引き上げられた中、ウォン安ドル高までが重なり、景気沈滞が深まるという懸念が強まっている。
15日のソウル外国為替市場で韓国ウォンは対米ドルで前日比14ウォン値下がりし、1ドル=1326.1ウォンで取引を終えた。終値基準で12日(1ドル=1312.1ウォン)の最安値を更新した。2009年4月29日(1ドル=1340.7ウォン)以来13年2カ月ぶりのウォン安ドル高水準だ。この日、1ドル=1318ウォンで取引が始まり、取引時間中には1ドル=1326.7ウォンをつけた。DB金融投資のムン・ホンチョル研究員は「景気沈滞の入る局面だが、1ドル=1320ウォン台までウォン安ドル高が進んでいる点に注目すべき」とし「不動産市場の暴落など最悪の状況がまだ残っているだけに、1ドル=1400ウォン台までウォン安が進むことも考えられる」と述べた。
この日の外国為替市場は米国の生産者物価指数(PPI)に反応した。米労働省は14日(現地時間)、6月のPPIが前年同月比11.3%上昇したと発表した。これはロシアのウクライナ侵攻直後に過去最高値となった3月(11.6%)に近い数値。消費者物価の先行指標PPIが急騰し、米国の緊縮時計がさらに速まるという認識が広がった。26、27日(現地時間)に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)でまたジャイアントステップ(政策金利0.75%引き上げ)、さらにはウルトラステップ(政策金利1%引き上げ)を踏むという見方も出ている。