全国民対象の4次接種を巡り迷う韓国政府…ワクチン疲労感に加え秋季流行拡散も変数
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.07.12 10:36
韓国では新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)新規感染者が直前週に比べて2倍に増加する「ダブリング」現象が続き、対応策を巡り防疫当局の苦悩も深まっている。これまではワクチン接種と社会的距離確保(ソーシャルディスタンス)を用いて流行状況を調節してきたが、現時点ではこの2枚のカードをすべて使うのは難しいという判断のためだ。当局は高危険群に対するワクチン4次接種はいち早く始めたが、全国民を対象とした4回目の接種は迷っている。再流行が目前まで近づいた状況でも迷っている理由は何か。
専門家はあまりにも頻繁に繰り返されるワクチン接種の勧告が国民の疲労感をあおりかねないと指摘する。すでに全国民の65%が3次まで接種を終えた。このような状況で再び全国民を対象に4回目の接種を要求する場合、接種意志が低下する可能性が高い。今年2月から始まった高危険群4次接種率は31.1%にとどまっている。嘉泉(カチョン)大学吉(キル)病院感染内科のオム・ジュンシク教授は「全国民を対象に拡大しても4次接種率は10~20%に終わる」としながら「実効性が低いのに、いま力を抜く必要がない」と話した。
今後の流行推移を考慮すれば時期も問題だ。当局は夏に比べて秋~冬季に大規模な流行が到来するという見通しを出している。夏の再流行に合わせて全国民4次接種を行えば、2~3カ月後の免疫力が落ちる時点と秋季の流行拡散局面が重なってしまう。国家感染病危機対応諮問委員会の鄭ギ碩(チョン・ギソク)委員長〔翰林(ハンリム)大学呼吸器内科教授〕は「いま接種して秋にまた接種する場合、『いったい何度ワクチンを接種するのか』という不満が出てくる可能性がある」と話した。