【コラム】「心の中の龍」を捕まえなければインフレは日常化=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.07.07 15:08
◆政策金利を20%台まで引き上げたボルカー
米国の1970年代を支配した「大インフレ」(The Great Inflation)を見てみよう。戦後、米国経済は類例のない好況の中でも物価の心配は大きくなかった。戦場から帰ってきた労働力が豊富だったし、技術の発達で生産性も大きく高まったからだ。適切な金利政策でFRBの独立性を守ったウィリアム・マーティン(1951-70年在任)の役割も大きかった。マーティンは「中央銀行の役割はパーティーの真っ最中に食器を片づける」という名言で有名だ。
しかし後任者のアーサー・バーンズ(1970-78年)は自身を任命したリチャード・ニクソン大統領の再選勝利のために「容易な通貨政策」で一貫した。急激な利上げを回避した。こうした態度は2度のオイルショック、ニクソンの金・ドル交換停止措置などと重なり、深刻なインフレを招いた。アーサー・バーンズの後にしばらくFRBを率いたウィリアム・ミラー(1978-79年)も物価よりも景気沈滞を心配して利上げをためらった。米国は1970年代末と80年代初め、毎年10%を超える深刻なインフレに苦しんだ。