【時視各角】「98%の信頼、2%の許し」という夢
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.07.07 08:16
#日本で最も愛される渡辺和子シスターの代表作『置かれた場所で咲きなさい』は300万部以上売れたベストセラーだ。個人的に最も印象に残っているのは「どれだけ親しい相手でも100%信頼してはいけない。98%にしなさい」という部分だ。では残りの2%は何か。不信だろうか。そうではない。許しだという。人間は相手を完全に信頼するほど相手の「間違い」を許せなくなるものだ。したがって最初から相手を許す余地2%を残すという教えだ。
この話をした理由は、最近の日本の対米外交がこれと似ていると感じるからだ。日本と米国が手を握って進めた環太平洋経済連携協定(TPP)をトランプ大統領が一方的に離脱しても、TPPに代わる新しいインド太平洋経済枠組み(IPEF)をバイデン大統領が創設しても、日本はただ許す。非難もしない。いや、最初からその中にプレーヤーとして入る。許す力2%は信頼の力98%よりも強く見える。
#先週末、米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカート・キャンベル・インド太平洋調整官はズーム対話で「30年以上も日本を見てきたが、最近のように日本が積極的に国際舞台でイニシアチブを行使して接着剤(glue)の役割をしたことはなかった」と述べた。実際、日本の外交力は経済力がピークだった1980年代よりも今の方がむしろ強く見える。中国に経済力を奪われた一方で中国を牽制する外交力が生じたのだからアイロニーだ。